冷房車

カテゴリー:⑤番線:feel the season方面 2019年8月 2日 05:28

半月前の梅雨寒から一転、異常気象による猛暑が今年も列島を襲っている…

いまや、エアコンは命を守るために使用が必須となっている。
熱中症予防のため、就寝中も入れておいた方が良いそうだ。

今朝の新聞、或る記事のくだりで鉄道の冷房について触れていた。
それによると、国鉄で初めて「冷房」が導入されたのは1936年(昭和11)、特急「燕」の食堂車とのことだった。

当時、冷房は展望車(1等車)や食堂車など特別な車両の利用者のみが享受できる、大変贅沢な設備であった。

また、同記事によれば、庶民の通勤電車での初登場は、1970年7月31日の山手線とのこと。
車掌長も子どもの頃、乗った列車が「冷房車」だと、望外な歓びであったことを思い出す。

非冷房車は、窓を開放してホームに入ってくるが、冷房車は窓が閉まっているので、一目で判別できたし、一般家庭にもエアコンが普及していなかったので、その快適空間の印象は殊更であった。

そして、列車の冷房で懐かしいのは、夏休みに新幹線や特急に乗ったとき、あの独特な「冷房の香り」がしたことであった。
 
あえて好意的に「香り」としたが、この臭いの形容は、体験した者でないと上手く伝わらないかもしれない。

油のような…消毒液のような…カビ臭さでもあるような…、換気も充分ではなかったと思うが、それでも蒸し暑い外気とは違う、快適な冷たい空間の懐かしい香りであった。

いまや、地下鉄でも冷房が当たり前となり、快適この上ないが、子どもの頃の普通列車や急行列車の窓を全開にして、首振り扇風機の風にもあたりながら、窓側の小さな物置に付いていた栓抜きで、瓶のコーラやファンタの清涼飲料水を頬張ったことも懐かしく思い出した。

便利、快適な「今」の生活が当たり前になってしまったが、不便であり、快適でもなかったはずの当時を美化してしまうのは、年をとったせいなのであろう…

 

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