原風景

カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2019年9月22日 06:10

昨日午後、車掌見習7歳の誕生日に某遊園地へ行った。

先日、車掌長の妹が今月末で有効期間が切れる「のりもの一日券」を、当車掌区人数分譲ってくれ、行ける時に行こうと思っていた。

当車掌区から車で15分ほどの遊園地は、車掌長が子供の頃によく行った想い出の地だ。
親戚に連れられ夏のプールに行ったが、世界初の「流れるプール」が殊の外楽しかったことや、水の冷たさが想い出深い。

また、中学時代は「冬の一日券」という、1,000円で入園及びフリーパスとなるオトクな企画券もあり、友人とよく行ったものだった。

この遊園地には、「カルーセル・エルドラド」という名称の回転木馬がある。
これは、日本機械学会「機械遺産」にも認定された、歴史に残る機会技術関連遺産として有名だ。

1907年にドイツでつくられたそうで、彫刻は全て木製。
数奇な運命を辿ったようだが、1971年から当遊園地で多くの人々の夢をのせ、想い出を育んできたのであろう…

かく言う車掌長にも、幾幕かの思い出がある。
そして、その記憶を鮮明に蘇らせてくれるのが、この遊園地全体の様子がほとんど、40年前と変わっていないことだ。

当時あった主要な乗り物やその場所が、ほとんど変わっていないことで、あたかもタイプスリップしたような錯覚を起こし、40年前の自分の姿を見つけられたような気がした。

そんな気分に浸りつつ、「サイクロン」というジェットコースターや、コークスクリューに乗った。
あの頃、最新の絶叫マシンであったり、話題の乗り物を導入し、いつも長い行列を待ったものだが、いまや待ち時間ゼロで乗れるのは、隔世の感が否めない…

もともと車掌長は、絶叫マシンの類が大好き。

いま改めて、このジェットコースターやコークスクリューに乗ってみたところ、まるでモノレールのように感じ、子供のころに抱いた恐怖感は微塵も無かった。

しかしながら、最高地点に向けてゆっくり上がる際に眺めた景色は、高層マンションが増え、当時の何も無く見晴らしの良かった記憶の残像は、この日を以って上書きを余儀なくされた…

いま、7つになった車掌見習の手をひき、身長制限の緩い乗り物に乗ったが、やがて車掌見習が友人同士や恋人と来たり、大人になってからも来た際、もし車掌長や専務車掌がいない時代であっても、この雰囲気や背の高い木立が、変わらない風景として存在し、車掌見習にとっても何かの「原風景」になれば…と願う。

余談だが、今年の夏休みは車掌長が温泉好きとなった小学2年生の「原風景」を訪ね、当車掌区慰安旅行として兵庫県の城崎温泉を訪れた。

ここも、44年前と変わらない風景が、ほぼそのままに健在であった…

時代や日常生活はいつも、置いていかれそうな猛スピードで過ぎてゆくが、ふと、自分自身の「心の時間調整」を行える時間旅行を試みることは、とても有意義に思える。

誰にでも、きっとそんな「原風景」があることだろう…
年齢しかり、気持ちもしかり、そんな何かの節目に、情景に出会う時間旅行に出るのも素敵なことだと思う。

きっと、今の生活や今後の人生に向けて、新たな発見や気づきがあるだろう…


 

 

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