あずさ2号は記憶の中へ

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2019年12月14日 04:52

今朝の新聞、「あずさ2号」が無くなるとの記事。

理由は、来春3月14日のJR東日本ダイヤ改正によって、「あずさ号」と「かいじ号」の号数が1本化されるためとあった。

現在、両列車の定期運行分はそれぞれに、下りなら「あずさ1号」及び「かいじ1号」、上りであれば「あずさ2号」と「かいじ2号」が存在している。

ダイヤ改正によって号数が1本化されるとは、どういうことか?
早速、手元にある時刻表で調べてみた。

現行ダイヤの発車時刻順に追ったところ、下りであれば、あずさ1号、同3号、5号、かいじ7号というように、上りであれば、かいじ2号、あずさ4号、かいじ6号、あずさ8号…という具合に、なるほど、「あずさ2号」はこの世から消えることを理解した…

列車名は明らかに違うものの、同じ中央本線を走る特急に、同じ列車号数のものが存在すれば、切符の買い間違いや誤乗のケースが少なからずあったのかもしれない…

それにしても…
「あずさ2号」とは、単なる特急列車の名称と号数の組み合わせに過ぎないのに、なぜ、今こんなにも虚しさのような感慨が胸中を過るのであろうか…

それは、今も車掌長と同世代以上の方を中心に、多くの人々の脳裏にそのネーミングが刻まれている、狩人の「あずさ2号」という、昭和歌謡があったからに他ならないであろう。

同曲は1977年3月に誕生。
当時、間もなく小学4年生になる車掌長にとっては、居住地を走り、通った小学校の窓からも見えた一番身近な国鉄の特急列車をテーマにした曲の流行は、歌詞にある男女関係の機微は理解できなくても、とてもセンセーショナルな出来事であった。

そして「8時ちょうどのあずさ2号」で…のフレーズは、生涯、胸に刻まれる列車名となった。

その頃、国鉄の列車号数は、下りも上りも発車時刻順に1号から付番されていたので、新宿発の下り列車においても2号となる列車が存在した。

しかしながら、1978年(昭和53)10月のダイヤ大改正で、列車号数の付番方法は、全国一斉に下りは奇数、上りは偶数に統一された。

それまで、新幹線は開業当初からそのような付番方法になっていたものが、在来線にも波及し、最初は違和感があったものの、号数を聞いたり見ただけで下りか上りかが瞬時に分かり、それこそ切符の買い間違いや誤乗防止に大きな成果を上げたと思う。

ただ、それを機に同曲にあった「8時ちょうどのあずさ2号」に乗って信濃路へ向かい、"あなたから旅立つ"ことはできなくなってしまった。

それだけでも、子どもだった車掌長はショックを受けたが、現在も上りにおいて存在していた「あずさ2号」が、来春で無くなることを今朝知り、上述の虚しさを覚えている最中である。

それは、愛する時刻表からもその列車名と号数が消えることを意味している…
来春以降、記憶の中を走る列車になってしまうのは、あまりに惜しい報せであった。
 

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