思い出のアルバム

カテゴリー:⑤番線:feel the season方面 2018年3月26日 04:24

 昨日、穏やかな天候に恵まれ、東京の桜も見頃を迎えた。

車掌長が子どもの頃、桜と言えばちょうど入学式や新学期に咲いていた記憶がある。
いまや温暖化の影響で、卒業式の頃に開花の便りを聞くようにもなった。

そういえば先週、たまたま観たテレビ番組が「卒業ソング」を特集していた。
日本では、3月は別れの時…

車掌長世代だと、定番の「蛍の光」「仰げば尊し」が式典では歌われたことだろう。
マイ卒業ソングと言うことであれば、海援隊「贈る言葉」やイルカ「なごり雪」、H2O「想い出がいっぱい」、柏原芳恵「春なのに」、そして、尾崎豊や斎藤由貴、菊池桃子、松田聖子それぞれの「卒業」…

このあたりが、順当に思い浮かんだり、メロディを聴けば、自ずと時代の懐かしき群像や世相、我が青き春が蘇る。

いまや、式典でも「蛍の光」や「仰げば尊し」は少数派で、生徒たち自身が自分たちの卒業式で歌う曲を選べる学校も多いとの話で、車掌長に馴染みの薄い最近の卒業ソングも聞いたが、確かに、歌詞も曲も良いものが多いなぁ…と感じた。

ところで、車掌長の卒業ソングの原点と言えば、それは「思い出のアルバム」だ。

それは、保育園の卒園時に歌い、このような歌詞だった。
♪いつのことだか 思い出してごらん
 あんなこと こんなこと あったでしょう
 うれしかったこと おもしろかったこと
 いつになっても わすれない

その後、春のことです、思い出してごらん…夏のことです、思い出してごらん…と、四季の思い出が回想され、締めは一年中を思い出してごらん…と曲は流れる。

その平易ながらも優しさに満ちた歌詞と、幼児それぞれが体感できる、過ぎた時間への切なさや想い出を振り返られる、そんな旋律の美しさにも溢れた名曲だと、車掌長は今でも思っている。

車掌見習も、この春は年長クラスへと進級する。
幼稚園時代の3年間を締めくくる、最後の1年の始まりだ。

日々を健やかに育ちながら、車掌見習自身の「思い出のアルバム」を綴ってほしい…

また、専務車掌も車掌長にとっても、二度と戻ることのない、今の日々の輝きを目に焼き付けておきたいと思う。
握れば掌(てのひら)にすっぽり収まる、その小さな手の感触も、覚えておきたい…

とは言え、毎日の忙しさの中で、そのような心持ちでいられるのも、なかなか現実の日常生活では理想通りにゆくものでもない。

しかしながら、成長の遅い車掌見習が、他のお子さんがあっという間に成し遂げる他愛無い動作や言葉のやり取りを、時間をかけつつもできるようになる喜びに勝るものはない。

とくに、ここ数か月は、初めて○○ができるようになった「○○記念日」のラッシュだった。

当車掌区のカレンダーに記される、そんな○○記念日の書き足しは、実はこれ自体が、時を経て振り返った折に、かけがえのない「思い出のアルバム」になるのかもしれない…

 

夏至に向けて~日ごと陽が長くなる~

カテゴリー:⑤番線:feel the season方面 2018年3月22日 05:23

昨日は春分の日

例年だと、春の陽気に包まれ穏やかな印象の日だが、今年の関東地方は降雪に見舞われ、真冬の寒さとなった。

本来であれば、彼岸の中日である昨日は恒例の墓参りをする日だったが、先週の天気予報で天気が崩れることを参考に、彼岸入りの穏やかに晴れた日曜日に済ませておいた。

春・秋の彼岸と、正月は墓参りをしている。
これは、車掌長の物心がついた幼少の頃から、祖父母や親に連れられ行なっているので、逆にこの時期に行けないと気持ちがすっきりしない。

それはさておき、春分の日を過ぎたということは、これから夏至に向けて昼の方が長くなる。
車掌長は日ごと陽が長くなるこの時季が好きだ。

とくに、朝起きる4時頃に明るいと、トクをした気分になる。
陽の明るさで新聞を読んでいると、清々しい気分にもなる。

2018年の仕事もいよいよ繁忙期に入る…

4~6月の最繁忙期は夏至に向けた陽の勢いも借りて、気力も高めて乗り越えてゆこうと思う…

末筆ながら、昨夏行った合同50歳を祝う会参加者で、今日50歳をお迎えになったアンカーの御方へお祝い申し上げたい。

またぜひ、なにか面白いコトを目論見ましょう!

 

シロツメクサ

カテゴリー:⑤番線:feel the season方面 2017年6月14日 20:28

♪シロツメクサの花が咲いたら さあ行こうラスカル
 6月の風が渡る道を ロックリバーへ遠乗りしよう

子どもの頃、「世界名作劇場」という番組があった。
ムーミン、アルプスの少女ハイジ、フランダースの犬…

車掌長が小学生だった頃、日曜夜7時半からは決まってこの番組を観ていた。

冒頭の曲の出だしは「あらいぐまラスカル」だ。
この作品の前がフランダースの犬や、母をたずねて三千里だったので、明るい作風に子どもながらに戸惑いがあったものの、これはこれで爽やかな物語であった。

子どもの頃から動物が苦手な車掌長だが、アニメで見ている限りは、こんなあらいぐまなら可愛いな…などど思っていた。

と、こんな話をしたかったのではなく、今日は久々に夕方早い時間に家に帰れたので、専務車掌と車掌見習とともに夕食を楽しんだ。

そのとき、今日公園で専務車掌と車掌見習がシロツメクサを摘んで、ブレスレットを作ったと聞き、それを見せてもらったのだった。

今月は出張でほとんど東京におらず、あっという間に半月が過ぎた感慨だが、留守中も日々こうして穏やかにノビノビと過ごしていることを知り、ふと癒される想いであった。

今更ながら、専務車掌には日頃の車掌見習とのかかわりに感謝したい。

車掌長もいまが年間を通して最も忙しい時期だが、それを裏方で支えてくれているのは専務車掌だからだ。

とくに、今年の6月はお祓(はら)いをしてもらった方がよいのでは…と思うほど、仕事上のトラブルに複数見舞われ、閉口の日々であった。

ゆえに、そんなこととは無関係に、日々を精一杯遊んでノビノビ育つ車掌見習の話を聞くと、一服の清涼剤というか、癒しというか…ほのぼのとした気分に浸れる。

専務車掌のこうした関わりは、決して金銭的な対価としての報酬がどこからかあるわけではない。

しかしながら、体力的にも、精神的にも、日々子どもと向き合う時間というものは、労働のようにキツイものだと理解している。

そうした労力は、時給や月給というカタチにはならないが、いつの日かきっと、そうしたものとは換算できないほどの喜びや報いがあるのだと思う…

なかなか照れくさくて、日々の会話の中で口に出しては言わないが、改めてお礼を言いたい。

いつもどうもありがとう

シロツメクサは、クローバー。
きっと、いつの日か、こうした同じような日々の中に、ふと四つ葉に出逢えるときがあるのだろう…


 

雪のひとひら

カテゴリー:⑤番線:feel the season方面 2017年3月 1日 05:07

某新聞の書評の見出しにひかれた

それは「雪のひとひら」という本。
翌日、忘れないうちに書店へ赴き手にしたら、何やら温かな気持ちを抱いた。

車掌長は雪が好きだ
生まれが2月からかもしれない

自身でハッキリと雪が好きだと思ったのは、高校3年に上がる春。
友人4人と計5人で2週間程、北海道へ行った時だ。

初めて目にした流氷や、富良野の起伏ある雪原、某ユースホステルでの雪上運動会、夜行列車の車窓から飽きなく見た暗闇の中の雪…

そして、雪の結晶の神秘さ…

手にした瞬間、融けてなくなる儚(はかな)さは、まさにこの世の「諸行無常」であることを実感させられた。

また、雪は汚れを全て覆ってくれるヴェールのような、心にチクッと刺さったものを癒し隠してくれるような、そんな安心感を抱いたりもしてしまう。

さて、「雪のひとひら」は、片道30分余りの通勤電車1往復で読めてしまった。
文章はきわめて平易であり、小学高学年や中学生くらいが読む印象だが、その意味するところを理解できるのは、ある程度の人生経験があった方が、感銘を覚えると感じた。

女性の一生を、雪のひとひらに投影し、美しい自然の姿や心のときめき、それらを造りだした御方への素朴な疑問を描写し、女性が辿る一生の出来事を、淡々としながらも、読後、心に温かみを与えてくれる1冊であった。

自分がこの世に生まれてきた意味…

それは、終焉を迎えたとき、御方の一言でやっと理解できる。

今日から三月。
気持ちも新たに、車掌長も「雪のひとひら」を心の片隅に置いておこうと、白み始めた東の空を眺め思った。
 

 

春立つ

カテゴリー:⑤番線:feel the season方面 2017年2月 4日 04:55

 今日は立春。

「立春」という言葉は美しい。
なにか、心が洗われる想いがしたりする…

俳句をされる方にとっては、季語の衣替えとなる日だ。
冬から春へ
詠む句にも華やいだ調べを紡ぐ季節の到来…

車掌長は俳句を嗜むわけではないが、松尾芭蕉や小林一茶の俳人や詠んだ句は好きだ。
とくに、芭蕉には旅を絡めて、中学時代は詠んだ句の土地を訪ねたりした。
最近は流行った映画のロケ地を訪ねる「聖地巡り」が盛んだが、それに近い気がする。

立春は旧暦の頃は、新年を迎える時期と重なっていた。
そして、その頃詠まれる句には「春立つ」という季語が使われた。

今でも年賀状に「新春」や「迎春」とするのは、その名残だろう。

俳句は五・七・五という僅か17文字で、言わんとすることを文化・芸術へと昇華させた。
また、「世界で一番短い詩」とも言われる。

その制約の中で、いかに無駄を省き、自身の想いや感動を最大限に表現する美しさ、潔さがある。
小林一茶は、子どもや小動物など、弱い存在の者たちへの愛情や微笑ましさを多く詠んだ。

いま、140文字で世界を我が物に操りたいと、品格や品性の欠片(かけら)もない、幼稚で醜い口語体を並べる御方がいるようだ。

ぜひ一度、社会的に弱い人間への想いを、17文字で綴ってみていただきたい。

そんなことを立春のまだ明けぬ刻に思ったりした。
 

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