大雪 森のガーデン(哲×鉄車掌区慰安旅行)

カテゴリー:⑤番線:feel the season方面 2014年8月26日 05:22

来道2日目、部屋のカーテン越しに朝日の輝きを確認。

今日は連泊の中日。天候次第で予定を変えられる予備日にしておいたが、この天気なら黒岳に登れると確信。

朝食後、早々に支度を整えてロープウェイ乗り場へ。
黒岳5合目の情報を見ると、気温14℃、視界良好とあった。
更に、黒岳山頂は気温7℃…

大雪山は、例年だと8月下旬、遅くとも9月上旬には日本一早い初雪を観測する場所。
このお盆の時期に、黒岳5合目では薄(すすき)や、赤とんぼの乱舞を確認。
にわかに「秋」を感じたひとときであった。

欲張ってリフトで7合目にも…と思ったが、車掌見習が往路のロープウェイで標高が上がる際に、耳抜きができなかったか不機嫌だったので、今回はやめることにした。

もっと大きくなった頃に、更に足を延ばして旭岳まで歩いてみるのも良いかも…と楽しみをとっておこう。

山と言えば、学生時代の後輩で北海道在住のI氏を思い出した。
毎年、年賀状で道内の「山行」を紹介してくれて楽しみにしているが、彼の本格的な登山にもまた、格別な醍醐味があるのだろう…と察する。

麓に降りると、これから登る人たちで乗り場は賑わっていたが、紅葉期に比べれば全然マシな方であろう。
昼にはまだ時間があったので、「銀河・流星の滝」や大函(おおばこ)へ行ってみることにした。

だいぶ前に来たときは、大函からレンタサイクルで滝めぐりができたが、土砂災害で通行止めとなり、そんな楽しかったアクティビティも、長い間再開されず、いまや見られない「幻の滝」化したものが沢山できてしまった。

2本の名瀑と、大函の見事な柱状節理の岩肌と渓谷を楽しんでも、まだ昼前であった。
そろそろ、昼食を考えねばならないが、車掌見習の昼寝のタイミングを考慮すると、途中何か買ってホテルに戻り、部屋で食べるのがベストと判断した。

日中も部屋を自由に使えるのは、連泊の最大のメリット。
昼食後、車掌見習は布団を敷いて昼寝…

専務車掌と車掌長は、部屋に備え付けのドリップ・コーヒーで、ホッと一息。
午後の予定を思案した。

天気予報では、午後から徐々に下り坂とのことだったが、まだ晴れ間があったので、「大雪 森のガーデン」へ行ってみることにした。

ここは、昨年7月にオープンし、まださほど知られていない穴場的スポット。
大雪山連峰や森に囲まれたのどかな丘陵地帯に、心癒される空間が誕生したと思う。

駐車スペースに車を停めると、眼前にヒマワリ畑が一面に広がっていた。
有料ゾーンは、「森の花園」と「森の迎賓館」の2つで構成され、幾つもの回廊で結ばれていた。

グランドオープンとなった今年、今後更に手を加えられ、季節感溢れる魅力的な場所になるだろう。
車掌見習は、行ってほしい方向へは歩かず、気に入ったらしき木の階段の昇り降りを、何度も繰り返していた。

かなり歩き回った後、ガーデンカフェで休憩…
好物のバニラとモカのジェラートを食べた。

ショップにも立ち寄ってみたら、思いがけないモノに出逢った。
それは「ククサ」。

ククサとは、北欧のフィンランドで、大切な人に必ずプレゼントするという、木製のマグカップ。
そして、もらった人は幸せになるという言い伝えがあるという。

ククサを知ったのは、以前にJR東日本の車内誌で、或る女性が子どもの頃から愛用している話を読み、興味を抱いていた。
車掌長は、その女性が日常も家でミルクやコーヒーを飲む時に使い、山を訪れるときも連れて行っては、休憩の時に、ククサでウイスキーを飲むという件(くだり)が、気に入ってしまった。

そんな、子どもから大人になっても愛用できる「幸せのマグカップ」に、遭遇したのであった…

ククサは白樺のコブをくり抜いて作られるが、マグカップが作れるくらいの大きさのコブになるには、30年ほどかかるといわれ、この付近の工房で創られているそうだ。
そして、全てが手造りのため、1つとして同じものがこの世に存在しないのも魅力であった。

5個ほどの在庫の中から、ゴツゴツ感や持った感触、木目の感じを確認して1つを購入。
マグカップとしては、高価なものであったが、車掌見習へのプレゼントとした。

いつの日か、一人旅でもいいし、好きな人との旅でもよいが、再びここを訪れた際にこの「ククサ」を持って来てくれたなら嬉しく思う…

その頃はきっと、この森の植生も遥かに豊かになって、君を優しく包んでくれることだろう…
そして、君が小走りして後を追いかけた小道や、おぼつかない足取りで何度も昇り降りした階段も、ともに成長し貫録が出ているかもしれない。

そんな成長の節目節目や、大人になった頃に、その「時間」の経過を味わってほしいなぁ…と目を細めた。
 

三方六を食べながら

カテゴリー:⑤番線:feel the season方面 2014年8月14日 08:20

朝食後、自宅用のお土産に買った「三方六」を食べながら、一杯のコーヒー。
なんとも、至福なひととき…

北海道でお菓子の土産と言えば、この三方六が最も美味しいと、車掌長は思う。

帯広の銘菓であるが、購入したのは新千歳空港。
山ほど積まれた売れ筋ばかりの商品に群がる旅行客を横目に、この三方六の置いてある売店を探した。

芳醇な甘さと味わいが、口いっぱいに広がると、楽しかった旅行の想い出も呼び覚まされた…

先週金曜夕刻、上野から寝台特急カシオペアで出発、昨日飛行機で無事!?に帰京。
車中1泊を含む5泊6日の北海道旅行を、哲×鉄車掌区慰安旅行として今夏も催行した。

仕事の都合、どうしても日本中が大移動するこの時期にしか休暇が取れないが、毎夏の風物詩として楽しみにしている。

車掌見習のペースに合わせ、振り回されながらの珍道中、珍現象、珍気象、珍場面…
何をしても、チンチンづくしの旅であったが、普段できないことや、見られない景色を堪能できたと思う。

明日以降、気ままにその模様を記してゆきたい。
 

コメント(2件)

希望者挙手さんからのコメント(2014年8月16日 18:04投稿)

こんにちは

カシオペアに乗車されての北海道家族旅行、羨ましい限りです。

私は娘たちが小さい頃から、往路をカシオペア、復路をポケモンジェットで北海道旅行を計画していながら、いまだに実現していません(笑

三方六を味わっている車掌長の姿を想像して、「孤独のグルメ」を連想してしまいました。

「孤独のグルメ」とは、今、私がもっともハマっているドラマです。

輸入雑貨商を営む主人公が、仕事で訪れる先々で食事を楽しみ、ただただ自分の思ったこと感じたことを語るだけというストーリーなのですが、主人公が食を通じて幸福を満喫する、贅沢な時間の過ごし方に共感してしまうのです。

テレビ東京で毎週水曜日の深夜に放送しているので、車掌長はリアルタイムではご覧になれないかと思います。
もし、まだ観たことがなければ、録画してご覧ください。
きっと車掌長にもこの面白さを共感していただけると思いますので(笑

車掌長さんからのコメント(2014年8月16日 22:42投稿)

希望者挙手 様

毎度ご乗車ありがとうございます

「孤独のグルメ」は知りませんでした。
教えていただき、ありがとうございました!

早速、どのようなドラマか気になって、さきほどYou Tubeで第1話を見てみました。

門前仲町の飲み屋の話でしたが、とっても面白いドラマですネ!
希望者挙手さんにお見透かしされているようで恥ずかしいのですが、主人公のモノ言いに共感してしまいました。

また、話の導入部分での「時間や社会に囚われず…」という、ナレーションがグッときますネ。

これは、DVDをレンタルして、ぜひ最初から見たくなってきました。

もしよろしければ、その話に出てくる店のどこかへ、行ってみませんか?!(笑)

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藤棚

カテゴリー:⑤番線:feel the season方面 2014年4月25日 04:56

今月は、都内や千葉県某市の小・中・高・大学を日々訪れていた。

中でも公立の小・中学校は、刻々と忙しい合間にも、ノスタルジーの琴線に触れるモノが沢山あった。
その1つが校庭にある藤棚。

今はまさに見頃で、棚から垂れ下がった淡い紫色の花に心が和む。
やや距離を置いて眺めると、ぶどう棚のようにも見える。

車掌長の出た小・中学校にも藤棚があった。
棚の下にはベンチがあり、特に小学校のものは、太く長い丸太をそのまま置いたような形状で好きであった。
そして、子ども心ながらにきれいな花だと思っていた。

なぜ多くの学校には藤棚があるのだろうか。
常に陽のあたる校庭に日陰を設けるためか…
それとも、どこかの時代で二宮金次郎(尊徳)像のように、設置を奨励する動きがあったのだろうか…

藤は日本固有の植物らしいが、桜とともに日本人の繊細な美意識を象徴する「春の使者」だと思う。
暖かな陽気の昼下がり、藤棚の下のベンチで微睡(まどろ)み、そのほのかな香りに包まれると、時間を遡るタイムスリップな心境になる…

変わり続ける世の中にあって、学校という空間は、ある意味隔絶された、置き去りになった場所なのかもしれない。
しかしながら、強いて変わったことを挙げれば、教員が多忙になり過ぎたことだろう。

本来であれば、子どもと向き合う仕事のはずが、親や上司、上部組織の顔色ばかりを窺(うかが)い、書類ばかりと向き合っている余裕のない姿に、憐(あわ)れみを感じてしまう。

藤棚はそんな世の中の先生の変化も、見てきたのだろう…
 

コメント(2件)

希望者挙手さんからのコメント(2014年4月26日 00:50投稿)

こんばんは

藤といえば、我家の家紋が「丸に下がり藤」なんですよ。
藤紋の家はかなり多いようですが・・・

そんなこともあり、私にとっては身近な花であり、紫は大好きな色でもあります。

私の好きなロックバンドが「ディープ・パープル」や「紫」(沖縄の伝説的ロックバンド)だったりすることは、藤とは関係ありませんが・・・笑

更に私と藤の関係は続きます。

日本の藤は野田藤ともいわれるのですが、その由来は大阪市福島区野田という、藤の名所の地名に由来しています。

私が社会人一年生で大阪転勤になり、2年余り住んだ町が野田でした。
また専門学校在職時に転勤で行った大阪校は野田のお隣(福島区福島)でしたから、藤にはとても縁があるようです(笑

GWには亀戸天神に行って、船橋屋にでも立ち寄ってみましょうか(笑

車掌長さんからのコメント(2014年4月26日 05:45投稿)

希望者挙手 様

毎度ご乗車ありがとうございます

「丸に下がり藤」の家紋、どのようなものか見てみたくなり調べました。
藤は1つ1つの花弁は小さく繊細ですが、それが房となって醸し出す美しさが表れているように思えました。

ちなみに車掌長の家紋は「丸に違い鷹の羽」です。
車掌長の家紋の想い出は、高校の卒業式です。

正則高校は服装が自由でしたので、車掌長は祖父から譲ってもらった紋付き袴で参加しました。
そして、その際に自分の家の「家紋」というものを初めて知りました。

当時、卒業式に紋付き袴で来たのは車掌長だけでしたが、草履をはいて大正時代の重たい外套(がいとう)も着用し、電車で注目を浴びたのが楽しかったり、誇らしかったりしました。(笑)

それはさておき、希望者挙手さんも「藤」に何かと御縁がおありですネ。

ところで、「紫」は車掌長の2番目に好きな色です。
(1番は「青」です)

紫と言うと、八神純子さんの「パープルタウン」が大好きで、今でもよく聴きます。

特に「♪愛する気持ちを呼び覚ます都会(まち)ね New York 紫にけむる夜明け」の部分が、ヘビーローテーションで聴けるほど好きですネ。

この曲が流行った頃と、中学時代に国語で習った「枕草子」がちょうど重なって、気に入ったことを覚えています。

”春はあけぼの やうやう白くなりゆく山際、すこしあかりて紫だちたる雲の細くたなびきたる”

清少納言が遺した「春」の美に、時を超越して共感します。

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新緑に想う

カテゴリー:⑤番線:feel the season方面 2014年4月19日 05:39

車掌長の1年で最も忙しい4月も残り3分の1.

考えれば考えるほど、うんざりするやることの多さに呑み込まれずに、一日一日を消化してゆくのが精一杯…
そんな日々の忙しさの中でも、ふとこの季節ならではの癒しを感じさせてくれるのが「新緑」だ。

東京では、日差しの強くなった先週あたりから、木々の芽吹きや若々しい葉の広がりに勢いが増してきた。
その光景はエネルギッシュであり、フレッシュでもある。

新緑はよく「眩(まぶ)しい」と言われるが、その柔らかく滑らかな風合いは「艶(つや)やか」とも言える。

車掌長が新緑の美しさに心を洗われたと覚えているのは、学生時代のこと。
毎年GWが明けた頃、親しい仲間やサークルのメンバーで、信州の木曽へ行った時だ。

愛知県の知多半島から、一般道で瀬戸を通り多治見へ抜ける際、木洩れ日のトンネルが続く場所がある。
その新緑に透ける薄緑色の空間は、そこを通るだけで心身が清まる想いに包まれた。

また、目的地の木曽の山々は、新緑が斑(まだら)模様に彩られ、出迎えてくれた。
それはまさに、俳句の季語である「山笑う」様相であった。

厳しい冬の寒さや閉塞感を乗り越え、暖かく開放的な春を謳歌する表情そのものであった。

人間にも「表情」というものがある。
それは、木々の芽や葉のように、人が目にできる物事の末端の表れと言える。

しかしながら、その源となる土中の「根」は、なかなか見ることができない。
もちろん、人の「心根」も同様に…

人も木もその外見や他人からは見えない、「根」の張り具合が大切なのだと思う。

どんなに強い風に吹かれても、根こそぎ倒れたりしないような…
或いは、子どもがよじ登り、枝に腰掛けても折れないような…
多少、何かが他より劣っていても、そんなことで心がくじけないような…

根を深く広く張り、幹や枝を太くする日々の営みの積み重ねこそが、「人生」なのかもしれない。

新緑を愛(め)でながら、今年も少しでも、根や幹を丈夫にしてゆけたらと想う。
そして、その表れ、彩りである新緑のような「表情」や「心の潤い」を大切にしたいと願う。
 

 

愛用コートとの別れ

カテゴリー:⑤番線:feel the season方面 2014年3月28日 05:41

春は別れの季節…

今春は、先日の寝台特急「あけぼの」廃止や、来週に迫ったのジェンボジェット旅客機の引退…
両者とも華やかな時代を経て多くの人々に愛され、惜しまれながら姿を消すことは或る意味幸せなのかもしれない。

そんな折、車掌長が長年愛用してきたものとの別れもある。
それはAustin Reed(オースチンリード)のハーフ・コートだ。

毎年、初冬から春先にかけて、20年にわたって車掌長と付き合ってくれた冬のパートナー。
しかしながら、さすがに全体的にくたびれてきたのと、綻(ほころ)びも幾つか出てきた。

出逢いは地元の老舗の紳士服店であった。
店内で一目惚れし、身の丈に合わぬ値札であったが、思い切って購入した。
ネイビーブルーで襟が濃い緑茶のような色合いで、形も気に入っていた。

春になって個人経営のクリーニング店に持ち込むと、良い仕立てのコートですねと言われ、頼まなくてもボタンの1つ1つや金具部分にアルミ箔を施し、丁寧にクリーニングをしていただいたものだ。

車掌長の喜びも悲しみも、甘美も辛苦も、寄り添ってくれたコート…
買った当時とは体型も体重もだいぶ違うのに、これ1着で20年を共にできたことにも感謝。

惜しんでも惜しみきれぬコートとの別れに、万感の想いが募る…

そんな車掌長の別れの春である

 

 

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