愛用コートとの別れ

カテゴリー:⑤番線:feel the season方面 2014年3月28日 05:41

春は別れの季節…

今春は、先日の寝台特急「あけぼの」廃止や、来週に迫ったのジェンボジェット旅客機の引退…
両者とも華やかな時代を経て多くの人々に愛され、惜しまれながら姿を消すことは或る意味幸せなのかもしれない。

そんな折、車掌長が長年愛用してきたものとの別れもある。
それはAustin Reed(オースチンリード)のハーフ・コートだ。

毎年、初冬から春先にかけて、20年にわたって車掌長と付き合ってくれた冬のパートナー。
しかしながら、さすがに全体的にくたびれてきたのと、綻(ほころ)びも幾つか出てきた。

出逢いは地元の老舗の紳士服店であった。
店内で一目惚れし、身の丈に合わぬ値札であったが、思い切って購入した。
ネイビーブルーで襟が濃い緑茶のような色合いで、形も気に入っていた。

春になって個人経営のクリーニング店に持ち込むと、良い仕立てのコートですねと言われ、頼まなくてもボタンの1つ1つや金具部分にアルミ箔を施し、丁寧にクリーニングをしていただいたものだ。

車掌長の喜びも悲しみも、甘美も辛苦も、寄り添ってくれたコート…
買った当時とは体型も体重もだいぶ違うのに、これ1着で20年を共にできたことにも感謝。

惜しんでも惜しみきれぬコートとの別れに、万感の想いが募る…

そんな車掌長の別れの春である

 

 

ジャンボジェット旅客機引退

カテゴリー:②番線:航空、船舶、バス方面 2014年3月24日 05:45

3月31日月曜日、ANAの羽田~沖縄線で唯一の満席便がある。

那覇12:35発のANA126便。
この便が日本のジャンボジェット旅客機のラストフライトであることを、ご存知の方も多いであろう。

ボーイング747は通称「ジャンボ」と呼ばれ、多くの人々に愛され親しまれてきた。
車掌長も数ある飛行機の中で、YS-11と並び大好きな機種だ。

車掌長が初めて飛行機に乗ったのは、高校2年の修学旅行であった。
鉄道好きが災いしたり、そもそもまだ航空運賃が高い時代背景もあり、搭乗デビューは遅かった。
そして、その時の機種こそがジャンボであった。

その時の記憶はいまだ鮮明だ。
横に3-4-3の座席配列の中央4席を、仲の良かった悪友と陣取り、離陸に向け興奮したのを覚えている。
その顔ぶれもみな飛行機が初めてであり、うち2名が吉川晃司の大ファンで、離陸の際は、当時流行っていた「You Gatta Chance」と決まっていた。

誘導路から滑走路へと機体は進み、カセットテープで聴くウォークマンを仲良く片耳ずつ分け合って、「初離陸」の瞬間を堪能した。

加速時に体が背もたれに押し付けられるようなGとは裏腹に、地上を蹴って飛び上がった瞬間が意外にあっけなかった印象がある。

しかしながら、生まれて初めて乗り物で地上を離れた感動は、今も色褪せることはない…

あれから、飛行機に乗る機会は幾度も訪れ、最盛期は仕事の出張やプライベートで年間70回(片道ベース)以上を、数年間乗ったクレイジーな時期もあった。

当時は座席指定など自分でできない時代であったが、予約時にオペレーターに座席番号で希望席を指名し、ひとときの雲上の旅を満喫した。

その際、ジャンボに乗る時は2階席の最前列、もしくは階段を昇りきってすぐの独立したような2席の窓側が「指定席」であった。この席は脇に荷物収容のボックスがあり、着陸後もスムーズに降りられるのが魅力であった。
それは確か89ABだったように記憶している。

ところで、このジャンボジェット機は、機体にクジラや海の生き物の絵を施した「マリンジャンボ」として、子ども達に空への夢も与えてくれた。

当時、公募で選ばれたお子さんの絵が採用されたものだが、そのANAの企画発案の柔軟性と、その産物であるクジラが空を飛ぶ姿には心から感動したことを覚えている。

他にもジャンボにはいくつも想い出はあるが、このたびの引退をつくづく残念に思いつつ、これまでの大活躍を労いたい。
どうもありがとう…

今後は、引退を見越して昨年購入した1/400及び1/500のディスプレイモデルで、その美しも飽きのこないスタイルを眺めながら、往年の時間旅行をともに楽しみたい。

 

コメント(2件)

希望者挙手さんからのコメント(2014年3月25日 01:32投稿)

こんばんは
皆様の夜間飛行のお供をするパイロットは私、希望者挙手です(ジェットストリーム風に・・・笑)

ジャンボもラストフライトとは、寂しいですね。

私は国際線に乗ると必ずしていたことがあります。
それは、CA(当時はスチュワーデスですね)さんに、ポストカードとレターセットを頂いて手紙を書くことです。
これまで頂いたポストカードは大事にしまってあり、ジャンボはもちろんMD11もありますよ。

私はポケモンジェットで苦い思い出があります。
大阪に住んでいた頃、家族で九州へ飛行機で旅行へ行くことにし、娘たちの飛行機デビューのためにポケモンジェットを指定したのですが、トラブルのため機材変更となりポケモンジェットに乗れませんでした。

それでも(敢えて)スチュワーデスさんは娘たちにポケモンのおもちゃをプレゼントしてくれて、楽しい初フライトとなりました。まあ、乗ってしまえば、機体のデザインもわかりませんし(笑

私も家内とハワイで結婚式を挙げた際に乗った「リゾッチャ」のミニチュアを眺めて時間旅行を楽しんでおりますよ(笑

車掌長さんからのコメント(2014年3月25日 05:28投稿)

希望者挙手 様

毎度ご乗車ありがとうございます。

「ジェットストリーム風」とは、なかなか粋なご登場で嬉しいです!

ポストカードとレターセット、確かに機内で頂けるグッズですネ。
国際線は飛行時間も長く、普段とは異なる非日常な時間・空間ですので、多少窮屈であったり揺れもありますが、葉書や手紙を書くということに共感します。

最近は世知辛いご時世のため定かではありませんが、一昔前は書いた葉書や手紙をスチュワーデスさんに託すと、切手を持っていなくても空港到着後に切手を貼って下さり投函までしてくれたように記憶しています。

ところで、ポケモンジェットのエピソード、苦くも想い出深いものですネ。

マリンジャンボやポケモンジェットの素晴らしいところは、特殊フィルムのラッピングではなく「塗装」であることです。

マリンジャンボは新造機であったため、始めから航空機メーカー側による全面塗装ですし、ポケモンジェットは、ANAの機体工場で通常4色の全日空機を、27色の塗料を使ってペイントしているそうです。

全面塗装はあれだけの機体の大きさになれば、ペンキ分の重量も馬鹿にならず、当然燃費にも影響するため、アメリカン航空やジャルカーゴなど、ほぼ無塗装のエアラインもありました。

しかしながら、一生の想い出にもなりうる「夢」の塗装コストについては、いつまでも寛大であり続けてほしいと願うばかりです。

2件のコメントがあります → まだまだコメントお待ちしてます!

蛙の卵

カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2014年3月23日 05:36

46年余の人生で時刻表との出会いよりも早く、40年以上にわたって今も続けていることがある。

それは、お彼岸のお墓参り…
春・秋の年2回、記憶にある保育園時代から、祖父母や親、親戚に連れられて参ってきた。

途中、学生時代は愛知県の海辺に住んでいたので、春も秋もというわけにはいかなかったが、長期休みと折り合う春は暇(いとま)を見つけては、掌を合わせに上京した。

子どもの頃、祖父母が「おじいちゃんやおばあちゃんのおとうさんやおかあさんたちが、ここでねむっているよ」と言った言葉に、幼心ながらも時間が紡ぐ「つながり」というものを感じていた。
そして、そうした人々がいて、今の自分の存在へとつながっているという概念を、子どもながら理解していたと思う。

春のお彼岸は、楽しみなことがあった。
それは、池に無数に横たわっている蛙の卵。

その紐状の卵塊は、よくみると黒い粒々が不気味なほど詰まっており、それがオタマジャクシになることを祖父から教わった。

暖かな年は、既にオタマジャクシへと孵化(ふか)していることも多々あったが、先日参った際は、まだ卵の状態であった。
こんなことからも、今年は寒かったことがうかがえる…

いまは安らかに眠る祖父母の墓前で掌を合わせると、自然と感謝の念が湧きおこる。
そして、日々色々なことがありながらも、またここへ来るまでの間の無病息災を願う…

 

モーニング

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2014年3月16日 21:37

この週末、専務車掌の父上の一周忌があった。

1年前、まだ腕の中でよく眠っていた車掌見習も、いまはチョコチョコと小走りで動き回るようになった。
ご生存であれば、そんな姿を見て目を細められたことであろう…
お亡くなりになって、もう1年が経つ…

しかしながら、一緒に暮らしていた専務車掌の母上や弟さんご家族にとっては、やっとその気持ちの整理がついたというのが実感であることを、弟さんの弔問客へのご挨拶で察した。
人の死、殊に身内の死となれば、最低でもそれだけの時間が必要なのだと…

父上のご冥福をお祈りし、掌を合わせた。

ところで、車掌長は専務車掌の実家を訪れる際、いつも楽しみにしていることがある。
それは「モーニング」だ。

行先は父上ともよく訪れた「アロマ」という喫茶店。
東京を未明に出て、8時半頃に到着。

コーヒーを注文すれば、トーストかサンドイッチにサラダとゆで卵、梅こぶ茶が黙って付いてくる。
値段はコーヒー代のみの370円!

車掌長は中京圏の喫茶店文化が大好きだ。
個人経営の店が、それぞれの常連客を大切にしながら、集客にも工夫を凝らしている。
また、新聞が複数紙置いてあり、自席で幾折りもせずに両腕を広げて読めるのは至福な時…

東京でのコーヒーチェーン店のように、狭い店内にいかにテーブルを多く並べ、チマチマとコーヒーをすするのとは異なる時間の豊かさがある。

また、コーヒーチェーン店では、たとえ毎日のように利用しても、「一見さん」とさほど変わらない他人行儀なマニュアル的やりとりしか交わせないし、気取ったマシンが入れるコーヒーは、何とも味気ない。

何でも有ると思われる東京だが、東京に最も無いものが「人情」なのだと思ってしまう。

そんなことを考えながら、また次回、喫茶店「アロマ」に訪れるのを楽しみにしている車掌長である。
店を出る際、「チケット」と呼ばれるコーヒー回数券を買い求めた。
これは母上へのささやかなプレゼントとして…
 

 

立教大学×鳥羽市×近畿日本ツーリスト

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2014年3月 6日 22:30

先日、街中の旅行代理店で見慣れぬパンフレットを目にした。

手に取ってみると、「三重県鳥羽の”ふところ”へ」というタイトル。
そして、よく見てみると「立教大学×鳥羽市×近畿日本ツーリスト」のコラボレーション企画とある。
この掛け合わせは、いわゆる産学官連携となるのかもしれないが、そんな堅苦しい表現は抜きにしたい。

この旅行商品は、立教大学観光学部3年の某ゼミの学生が企画したもので、学生ならではの新鮮な視点が興味深い。
そして、旅行会社の企画のプロが、本来の旅行の醍醐味を商品化できないような隙間、或いはヒットを狙う余りに躊躇してしまうような切り口を、見事に具現化したと思う。

車掌長は、各旅行会社の既存の総花的(そうばなてき)なパッケージツアーよりも、この学生たちが生み出したオリジナルツアーに、「ツーリズム」としての魅力を感じる。

それは単なる物見遊山(ものみゆさん)ではない、現地の人々との触れ合いや、伝統文化・職業への理解、非日常的環境に身を投じる、知的好奇心を満たす愉しさが期待できる。

欲を言えば、もう少し近畿日本ツーリスト(以下KNT)の腕の振るいようがあっても良いかな…と思った。
具体的には、せっかくKNTの強みを生かせる地域なのだから、アクセスの選択肢で近鉄の人気特急「しまかぜ」を優先的に予約できたり、提携宿泊先でのオリジナル特典を充実させても良かったであろう。

しかしながら、このような学生の企画に手を差し伸べ、チャレンジすることは、KNTならではの素晴らしい社風だと感じる。

ヒットするかどうか、そんなちっぽけな話は二の次。
たとえ第一打席が芳しくなくても、このシリーズで他の地域も手掛けてほしいと願ってしまう。

日本全国どこへ行っても、旅先で日常と変わらない大手チェーン店を目にしたり、安易なB級グルメを名乗るご当地名物もどきを食されたり、商品化されたゆるキャラを追いかけるような旅行は、食傷気味だ。

むしろ、日本人の祖先が大切に育んできた、その土地にしか存在しない「本当の」味覚や文化、芸術、景観、絆を実感できることが、いつまでも心に残る豊かな「旅」なのだと思う…
そして、そのような旅の蓄積こそが、グローバル社会において本来は必須となるはずの、他者を理解する「多様化」を身に付けられるのだろう…

がんばれ!立教大学観光学部の学生たち

 

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