ひこにゃん謁見

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2011年12月20日 05:10

先日、現代の彦根の名将「ひこにゃん」に謁見(えっけん)。
いわゆる「ゆるキャラ」ブームの火付け役として名高いが、百聞は一見にしかず、たしかにゆるい。

その日は滋賀県でも雪が舞い、車掌長にとっては今シーズン初の雪。
場所は彦根城内の博物館にお目見えした。謁見時間は30分。
その立ち居振る舞いは不安定で予測がつかないが、愛嬌があり、ピタッと決めるポーズが凛々しい。

日頃「のんびり」「気まま」をモットーとし、鈍行的心持ちで過ごしている車掌長から見てもゆるく和んでしまう。
「ゆるキャラ」が全国各地で誕生し、人々の心を癒していると言われることに少なからず納得した。

しかし、こうしたキャラクターが支持・共感を得る背景を考えると、悩ましい想いも残った。
つまり、それだけ世の中が忙しい環境や、余裕のないリズムにさらされているからこそ、それらと隔絶されたゆるキャラに「癒されている」のではなかろうか…

また、ゆるさがウリのはずだが、「ゆるキャラ・グランプリ」に象徴されるように、意外にも彼ら彼女らの競争は過酷であり、本来の存在理由を歪(ゆが)めかねないのも心配される。

思うにこれからの時代は、「消費」から「メンテナンス」へと変わってほしい。
モノの手入れや心のケアを大切にし、長持ちさせ、いぶし銀のように美しくなるよう心得たい。
同様に、せっかく生まれた各地のゆるキャラたちも一過性のブームで廃(すた)れることなく、いつまでも愛され親しまれるものであってほしいと願う。

末筆となるが、この度「哲×鉄アーカイブ本線」全線開通を共に祝い、専務車掌との滋賀への気ままな旅に同行してくれた友人夫婦に感謝したい。

 

面白い恋人

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2011年11月29日 06:09

北海道のお土産と言えば「白い恋人」を思い浮かべる人も多いだろう。
パッケージの山容はスイスアルプスを連想させるが、北海道の秀峰「利尻山」だ。

一方、伊丹空港や関西のJR主要駅には「面白い恋人」というお土産がある。
中のお菓子は全く違うが、パッケージは「ノリ」で面白おかしく似せており、利尻山に代わり大阪城と二人の男女が描かれている。
車掌長も以前、関西へ出張で行った方のおみやげでこのお菓子に出会い、その「ノリ」が単純に面白かった。
しかし、この「ノリ」がいま販売差し止めを求められ訴訟になっているという。
売れすぎて単なる「ノリ」では済まされなくなったのだろう。

(余談だが車掌長は、松田聖子さんの「真冬の恋人たち」という曲が好きだ。)

ところで、今でこそお土産は全国各地に数え切れないほどの種類と、「ご当地限定」と称し風味やパッケージを少し細工した程度のものが人気を博している。

一昔前は各地に古くからの名産品や銘菓があり、流通事情もあったが現地でしか買えないから、旅行や出張の「お土産」として喜ばれた。
特に子どもの頃、京都の生八橋や、先述の「白い恋人」、岩手の「かもめの玉子」、仙台の「萩の月」は大好きだった。(逆に鎌倉の「鳩サブレー」や博多の「ひよこまんじゅう」は食べるのがかわいそうで苦手だった。)
どれも、滅多に食べられないからこそ「有り難味(ありがたみ)」も味わいながら楽しんだものだ。

しかし、今はどうだろう…
販路拡大による百貨店やスーパーでの取り扱いに加え、ネット等の通信販売で、どこでも食べられ、手にできるものが多い。
節操がなさすぎないだろうか…
誰でも美味しいものを日常的に食べたいと思ったり、現地へ買いに行けないという理由もあるだろうが、そこに「旅情」や「有り難味」は薄れたように思う。


 

雑誌「旅」休刊

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2011年11月22日 06:21

新潮社の旅行雑誌「旅」が2012年1月発売の3月号で休刊になることを知った。

「旅」は元々日本交通公社から発刊されていた。
その歴史を紐解けば1924年(大正13年)4月に、JTBの前身である日本旅行文化協会から創刊された「日本最古の旅行雑誌」である。
車掌長愛読書「JTB時刻表」は1925年4月号が創刊であるから、「旅」の方が少し先輩だ。

「旅」は子どもの頃、まだ鉄道向けの情報や雑誌が今ほど溢れていなかったので、よく読んだ想い出の本だ。
毎月著名人の紀行文やエッセイが掲載され、いま思うととても贅沢な読み応えのある内容だった。
特に日本を代表する鉄道紀行作家、宮脇俊三氏の文章は、いまだ乗らぬ国鉄路線や見ぬ風景にワクワクさせられ、ぐいぐいと誌面に惹き込まれたことを覚えている。

また、鉄道とはジャンルが異なるが、オートバイで日本や世界を駆け回った賀曽利隆氏の紀行文も楽しかった。ちょうど車掌長が学生時代に彼が50ccバイクで日本一周をした単行本に出会い、そのロマンに魅了されたものだった。この本に出会い、鉄道旅行にはない「自由」な旅のスタイルにも好奇心が湧いたものだった。

話は戻るが「旅」の休刊を心から残念に思う。
新潮社に移行し、内容を女性向けにしたり、隔月刊になってからは次第に車掌長もあまり手にしなくなったが、歴史ある「旅雑誌」が無くなるのは寂しい限りだ。
素晴らしい内容の伝統がありながら「売れる」ために、流行に迎合したり便乗するような一過性の内容では、単月の読者は増えても、本来の持ち味を楽しんでいた長年の読者には不甲斐ない感じがしてしまう。

目先の売れるものだけが入れ替わり並ぶ書店の目利きや、それを求める消費者と煽るマスコミ等の媒体。
世の中なんでも「売れる」ことだけが絶対視され、「売れない」ものは悪のごとく隅に追いやられやがてお払い箱となる。
これでは日本は経済大国になれても、文化大国にはなれないだろう。
人が築き上げた歴史や文化、後世に伝承したい事柄の蓄積を、ためらいなく金銭的価値の天秤にかけて一蹴してしまう。
この忌まわしい傾向はやがて人の心もお金で買われ、それと引き換えに大切な「何か」を失うかもしれない。

その失った「何か」は、後になってどんなにお金を積んでも買い戻すことはできないだろう。



 

50年後の味わい

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2011年11月10日 05:57

朝刊に興味深い記事が1つ。
サントリーが「山崎50年」を受注開始とある。

「山崎」は同社のシングルモルトウイスキーだが、50年以上熟成させるのは徹底した温度管理などの品質維持が必須で、非常に珍しく貴重とのこと。

値段は1本100万円と高額だが、きっと「買う人」「買える人」がいて限定150本は完売するのだろう。
だが、値段は1つの目安であり、その値段に対して、その人なりの相応の価値や重みや感慨を胸に「味わう」ことは車掌長にも頷ける話だ。

50年という「時間の恵み」にロマンを感じてしまう…

ところで車掌長は缶コーヒーが好きだ。
カップラーメンと並び、缶コーヒーは世界に誇れる日本の技術であり食文化だ。

味わいの進化は劇的で言うまでもないが、缶に施されるパッケージも楽しい。
お気に入りの1つはKIRINの「JIVE」で、野茂投手が大リーグデビューを果たし活躍した姿が魅力的な「American Blue」。
手元のものは未開封で、賞味期限は1998年1月23日とある。

50年後となる2048年に開けてみて、どんな「味わい」となるか、ささやかな楽しみとしよう。

停車時間、それは「自由な時間」

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2011年10月16日 19:22

時刻表と出逢って37年。
毎月毎月、何をそれほど飽きずに読む箇所があるのかと質問を受ける。

答えとしての読む箇所は「無限です」。
現実として、読む箇所は有限で1152ページの範囲だが、そこに想像力を加えると「無限」になる。

ところで車掌長は、時刻表で停車時間の長い列車を探すのが大好きだ。
昔に比べれば停車時間の長い列車は激減した。
しかしながら、よく探すとまだまだ存在することに安堵の想いがよぎる。

一例を紹介すると、北海道の稚内から名寄まで4326Dという列車(ディーゼルカー)が走っている。
途中、音威子府(おといねっぷ)という駅で1時間13分もの停車時間がある。
(運行上はこの駅で4328Dという列車番号に変わるが、実質は同じ列車)
この時間、あなただったらどう過ごすだろうか?

一方、新幹線や特急列車をはじめ都市近郊を走る列車の停車時間は1~2分が普通だ。

そこで気づくことが一つ。
日常の生活も、あまりに分刻みだったり、休む間もなく体や精神を酷使し過ぎていないだろうか?
人間は機械やロボットではない…
一時の無理や頑張りは可能だが、そもそも人間は慢性的な無理ができるように創られていない。
日々の生活の中にも、ホッと一息つける停車時間、つまり安息な時間が必要なのではないだろうか?
それがたとえ一日の中で30分でも良い。
煩わしいことや嫌なことから、ひととき解放される自分自身の停車時間。
これを確保することはとても大切であり、自身のバランスを保つのに有用だと経験上思う。

停車時間、それは「自由な時間」。


 

コメント(2件)

tacさんからのコメント(2011年10月18日 05:55投稿)

宗谷本線というと、ちょっと前まで走っていた「利尻」は、なくなっちゃいましたね。時代の流れといえば、それまでですが…。
僕らが北海道を訪れたのは、2006年でしたが、この年はまだ臨時列車として走っていたんですね。見ておけばよかったと、ちょっと後悔です。
1時間13分の停車時間を「時間の無駄」と感じるか、はたまた「旅のおまけ」と感じるかは人それぞれですが、後者になる余裕を持ちたいものですね。
北海道行きたいなぁ~。

車掌長さんからのコメント(2011年10月19日 05:19投稿)

tac様
このたびは「哲×鉄・ブログ本線」ご乗車ありがとうございました。
「利尻」懐かしい名列車ですね。
北の最果てを目指す夜行急行として、とても旅情がありました。稚内到着前に名峰「利尻富士」を見て感銘を受けた旅人も多かったこでしょう。
tac様が訪れた当時は、気動車と客車寝台の混合編成というユニークな運行でした。(列車番号だけを見ると気動車を意味する「D」が末尾に付いていますが、寝台車にディーゼル車とはどんな寝心地か?と一瞬楽しい妄想が湧くところです。)

日常、2~3分ごとに来る列車に乗り遅れまいと駆け込み乗車する光景を見かけますが、何がその人をそのように駆り立てるのでしょうか?
北海道の大地を大らかに走る列車に乗りたくなりますネ。

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