子どもたちは私たちの未来

カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2012年2月12日 19:32


♪I believe that children are our future
Teach them well and let them lead the way♪

「子どもたちは私たちの未来 正しく教えて彼らに導いてもらいましょう」

これは学生時代、教師を目指していた頃に好んで聞いた曲だ。
そう、ホイットニー・ヒューストンの「Greatest Love of all」だ。
英語は得意ではなかったが、彼女の美声と優しいメロディは英語の歌詞がダイレクトに心に響いた。

今日、彼女の突然の訃報を心から残念に思い、同時に感謝の念を捧げたい。

世の中には多様な教育論や価値観があり、これが正しいという結論はない。
しかしながら、車掌長が目指した教育の理想に近いものが彼女の歌にはあった。

「彼らの内に秘めた美しさを残さず惹きだして 誇りを持って生きるために導いてあげましょう」
「子どもたちの微笑みに 私たちの昔を想い出しましょう」

車掌長は教職課程を履修し、母校「正則高校」で教壇に立つのが夢だった。
当時の状況でそれは叶わず、旅行会社へ就職し、幸いにも専門学校の教師になることができた。

そして、一教師として出逢った学生たちに心掛けてきたことがある。
「認めること」「褒めること」「許すこと」の3つだ。

これは実は怒ることよりも難しいものだ。
逆に言うと、怒ることは一番簡単な教育であり、言われたことしかやらない人間を生産するのには好手段だ。
それは、怒られないための「思考」や「行動」が子どもたちの美徳なり、その逆の子を排除しようとしてしまう。
だが、その逆の子の方に、実は筋の通った言い分やユニークな発想があったりするものだ。

もちろん、専門学校である以上、社会で役に立たない者を卒業させては就職先に申し訳ないし、何より本人にとって不幸だから、約束と期限を守らなかった時と遅刻や無断欠席にはかなり厳しく対処した。

車掌長は何歳になっても、人として生きてゆく上で大切にしてほしいのは、先述の3点に尽きると思う。
そんな想いが送り出した学生一人一人の心の片隅に、かけらでも残っていれば嬉しい。
更に、次の世代にそれぞれの実践で継承してもらえたなら、この上ない本望だ。

今は教育に携わる仕事はしていないが、偉大なる歌手の訃報に昔の車掌長を思い出す時間旅行ができた。

彼女のご冥福を心から祈りたい。
 

コメント(6件)

たくちゃんさんからのコメント(2012年2月13日 05:42投稿)

Whitney Houstonを初めて聞いたのは、中学生のときだったでしょうか。
「ものすごいSingerが出てきたもんだ」と
驚いたのを覚えています。

彼女も、一時代を作り上げた人の一人でした。
時代は変わり、移っていく、というのが
自然の摂理であることは、誰しも避けられないことですが、
それでもやはり、「惜しい人」はいるものです。

正直言うと、当時の彼女の声は、私にはあまり馴染まないものでした。
そのため、深く聞き込むことをしてきませんでした。
今、忙しさにかまけて、音楽からも遠ざかってしまっていた自分でしたが、
もう一度、彼女の曲を「真剣に」聞き返してみたいと思っています。

今は、彼女の眠りが安らかならんことを、祈りましょう。
お疲れ様でした、と言ってあげたいです。

車掌長さんからのコメント(2012年2月13日 20:56投稿)

たくちゃん様

毎度ご乗車ありがとうございます。
最近はこの「乗務日誌」も回送列車状態でしたので、久しぶりの常連のお客様に車掌長も張り切り、朝の乗務に加え、急遽夜も乗務させてもらいます。

あれほどの世界的Singerともなると、誰もがどこかで印象に残っている想い出があるものですネ。
たくちゃんさんは中学時代ですか…

以前、この乗務日誌にコメントを下さった希望者挙手さんとたくちゃんさんが、音楽のことで盛り上がったのを思い出しました。ジャンルを問わず興味が共通した時の話題は何歳になっても楽しいものですね!

確かに「時代は変わり、移ってゆく」という、誰にも変えることのできない自然の摂理に、刹那(せつな)や、現(うつつ)に生きる輝きがあり、ため息もあるのかと思います。

偉大なるホイットニー・ヒューストンにも、手にした栄光とその光の当たらない、一ファンには知る由もないプライベートな苦悩があったのかもしれません。

「月は形を変え、時は人を変えてゆく」
どなたかこのフレーズに懐かしさを感じる方はいらっしゃいませんか?

今宵は支離滅裂なご返答で大変失礼いたしました。
やはり慣れぬ時間帯の乗務は控えたいと思います…

たくちゃんさんからのコメント(2012年2月14日 06:48投稿)

ややっ!「希望者挙手」さんは、あの御方でしたか!
地味に正体が判明してしまうコメント返しをありがとうございました(笑)。

ならば、掲示板的に(笑)

>希望者挙手さん

その節は失礼しました。
またご一緒させてくださいね。

希望者挙手さんからのコメント(2012年2月21日 01:42投稿)

車掌長さん、たくちゃんさん
ご無沙汰しております。

車掌長さんの教育理念には、頭の下がる思いです。
自分の子育てを顧みると反省しなければなりません。

私はホイットニーとは同世代ですからショックでしたね。
「セービング・オール・マイ・ラヴ・フォー・ユー」で彼女を知ったのは20歳の頃だったかな・・・チャカ・カーンのバックコーラスをしていたと聞いて、さすがと思いましたね。

私は車掌長さんのコメントを見て、吉川晃司の「キャンドルの瞳」の一節を思い出しました。「月は形変えてゆく、時は心を変えてゆく♪」私の大好きなフレーズです。
洋楽(特にヘビメタ)かぶれのように見えて、意外に守備範囲が広かったりします(笑)

また楽しいひと時を過ごしましょう!

車掌長さんからのコメント(2012年2月21日 21:54投稿)

希望者挙手様

毎度ご乗車ありがとうございます。
お忙しい時期と察しますが、車掌長にとっては未知な時間帯の乗車に驚きです!

それにしても、希望者挙手さんの守備範囲も広いですネ。
ヘビメタについては、先述のたくちゃんさんとの盛り上がりで奥の深さを感じましたが、吉川晃司なら車掌長もついてゆけそうです。

吉川晃司であれば車掌長は「INNOCENT SKY」が大好きです。
ちょっと気だるさを漂わせた長い前奏から、吉川自身が伝えようとするメッセージを歌詞から感じるものがあります。

♪INNOCENT SKY INNOCENT SKY
忘れない いつか見た空を
INNOCENT SKY INNOCENT SKY
心に閉じ込めたくはないさ

哲×鉄ご愛読の皆さんには、どんな「INNOCENT SKY」があるのでしょうか…

「哲×鉄」は、JTB時刻表と鉄道や温泉を入口とし、それらの魅力を伝えることを念頭に置いています。
一方、それらを出発駅として色々な方面への時間旅行にご案内することも、楽しみ方の1つにしています。

たくちゃんさん曰く「掲示板的」にご愛用いただくのも良いと思います。
皆さんや車掌長の綴った話や想い出に、関連したことでも無関係なことでも、お気軽にご乗車いただければと思います。

希望者挙手さん、もうすぐ北から戻り鰹が帰京するようです。
その時は彼と一緒に祝杯をあげて労いましょう!

王島将春さんからのコメント(2022年12月11日 15:22投稿)

はじめまして。福井市在住の王島将春(おうしままさはる)と言います。聖書預言を伝える活動をしています。

間もなく、エゼキエル書38章に書かれている通り、ロシア・トルコ・イラン・スーダン・リビアが、イスラエルを攻撃します。そして、マタイの福音書24章に書かれている通り、世界中からクリスチャンが消えます。その前に、キリストに悔い改めて下さい。ヨハネの黙示録6章から19章を読めば分かりますが、携挙に取り残された後の7年間の患難時代は、苦痛と迫害の時代です。患難時代を経験しなくても良いように、携挙が起きる前に救われてください。

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ベルサイユのばら

カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2012年1月18日 05:43

お正月、近所のレンタルビデオでDVD「ベルサイユのばら」vol.1~8が揃っていた。一挙に「大人借り」した。
小学校高学年の頃、毎週テレビ放映されていたり、その後も再放送されていたが、「通し」で見たことがなく、なんとなく心に引っ掛かっていた。

男装の麗人「オスカル」とフランス王妃「マリー・アントワネット」を中心に、フランス革命期の史実に基づいた物語であるが、どの登場人物の言葉も華麗で美しく、詩的だったことがとても印象に残った。
何より、オスカルの切なくも潔(いさぎよ)い生き様や、職務に忠実でありながらも部下への愛情があり、終盤の身分の違いを超えた民衆との連帯に感動を覚えた。

なぜ「哲×鉄」ブログでベルサイユかと言えば、車掌長が初めて手にした記念切符が、阪急電鉄が発売した「ベルサイユのばらⅢ記念乗車券」だったからだ。
発行日は昭和51年(1976年)4月10日となっている。

これは、いまは亡き伯母(母の姉)が、車掌長が鉄道好きなことを知って買ってくれたものだ。
その切符は横長で3枚1セットとなっており、宝塚歌劇の大階段でのシーンやオスカル役4名のスター他、華やかなものだった。
小学・中学生の頃の1人旅のゴールは、いつもこの伯母や親戚のいる母の実家、宝塚(兵庫県)だった。

1人であちこちの鉄道に乗って宝塚に着くと、みんなが褒めてくれ、照れくさかったがとても嬉しかった。

そして、ある伯父(母の兄)は、いつも車掌長に「2番が一番いいんだぞ、1番になるな!」と言ってくれた。
この言葉は今でも車掌長の胸の中で生きている。
だが、常に1番を目指せる2番が良いという意味がわかったのは、だいぶ大きくなってからだ。

「ベルサイユのばら」40話を全て見終わって、そんな宝塚での想い出が鮮やかによみがえった。
同時に、優しかった伯母と昔の時刻表を一緒に見ながら、想い出話を沢山してお礼をしたかったなと思う。
叶わぬ願いを悔やみ、お世話になった方への感謝は引き延ばしてはいけないと痛感…

和子おばちゃん、どうもありがとう。
あの時いただいた切符は、いまも大切にとってあります…

 

ゆく河の流れは絶えずして

カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2012年1月 1日 20:12

新たな年を迎えた。
今年が天災等のない、平穏な時間が送れることを願ってやまない。
そして、皆様はじめ、日本中の方々と僭越(せんえつ)ながら車掌長にとっても最良の年となりますように。

ところで、今年は鴨長明(かものちょうめい)が方丈記を著してちょうど800年の節目にあたる。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」の冒頭はご存知の方も多いだろう。

流れる河の水が二度と戻らないという事象は、「過ぎた時間」も二度と取り戻せないことを悟らせる。
そして、物事が長くそのままの状態であることはなく、変わりやすく儚(はかな)いものであると前置きし本題へと入ってゆく。
この冒頭だけで読む者の心をグッとつかむ不思議な力を持った文章だ。

偶然かもしれないが、今日の日本の状況と、方丈記に記された約800年前の日本は酷似している。
鴨長明が若き頃、平安末期の京都では度重なる大火、竜巻、飢饉、大地震などの天災・人災に見舞われた。
そして、そこで自らが目撃・体験した天変地異のありさまを、ドキュメンタリーのように詳細に綴ったのが方丈記の前半だ。

「歴史は繰り返す」「歴史から学ぶ」ということの大切さを、今日ほど痛切に感じることはない。

スケールは違うかもしれないが、この「哲×鉄」も過去のJTB時刻表をめくることで、個人の歴史やついこの間過ごしていた社会を振り返り、今後の方向性を見つけたり、二度と同じ失敗を繰り返さないことに気付く契機になればと願う。

あらためて、この年が日本にとって良い年でありますように…

 

「皆既」駅に停車中

カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2011年12月10日 23:40

ただいま「皆既」駅に停車中。

23:05、月が完全に地球の影に入り、赤銅色の月が夜空に浮かび上がった。
一見、たこ焼きのようにも見えた。

23:58になると、月は徐々に光を帯び始める。
今夜は空がとても澄んでおり、ここ東京でも星がよく見えている。
いま、この同じ夜空を見上げている人はどれくらいいるのだろうか…

次回「皆既月食」号の運行は、2014年10月8日。
そのとき、世の中はどんな風になっているか…
3年先など、きっとあっという間に訪れるのだろう。

生きている間にあと何回、今日のような美しい皆既月食を見られるかわからないが、いつの日か宇宙飛行士でなくても月から地球を見ることができるようにと、夢を抱きたい。
 

コメント(4件)

はーふ・せぶんさんからのコメント(2011年12月11日 17:01投稿)

私も昨日、皆既月食がある!ってことは知ってたんですよ・・・。
でも、あの約5時間で、完全にどっかへいっちゃってまして・・・。よく覚えてましたねぇ、又、ここ更新したりとかも、よくできましたねぇ、あれから・・・!?。私ゃ、22時には猛爆睡中でして・・・。

偉い、本当に偉いなぁ・・・。見習わなくちゃ・・・。
反省の日々を送ります、はい・・・。

車掌長さんからのコメント(2011年12月11日 22:06投稿)

はーふ・せぶん様

このたびは「哲×鉄 ブログ本線」ご乗車ありがとうございました。
昨日はこちらこそ、とても楽しませていただき誠にありがとうございました。
はーふ・せぶんさんのおかげで、皆さんと楽しい時間を過ごせ、大変感謝しております。
むしろ何から何までお任せしてしまい、大変申し訳ありませんでした。

1次会での皆様との鉄道や温泉話に花を咲かせ、2次会ではカラオケに興じ、あっという間の5時間でした。
特に、はーふ・せぶんさんがお歌いになった「ヨーデル食べ放題」など、車掌長も持ち歌にしたいものが幾つもありとっても楽しかったです。

温泉におきましては「自炊部」主催の湯治企画を楽しみにしております。

それでは、またのご乗車を心からお待ち申し上げます。
重ね重ねありがとうございました。

希望者挙手さんからのコメント(2011年12月18日 22:51投稿)

初乗車です。
私も空を見上げていた一人です。「皆既月食」号には子供たちと乗車しました。
次回の「皆既月食」号の前に、2012年5月21日「金環日食」号が運行します。東京ではほぼ完全なドーナツをいただけそうです。お楽しみいただくには観測用フィルターが必要ですが、売り切れ前にご用意いただくことをおススメします。

ところで、寝台特急「日本海」と急行「きたぐに」が廃止されることが発表されました。実際に乗車したことはないが、大阪に住んでいたことがある私にとって、大阪発のブルートレインがなくなってしまうことは寂しい限りである。

車掌長さんからのコメント(2011年12月19日 05:02投稿)

希望者挙手 様

このたびは「哲×鉄 ブログ本線」ご乗車ありがとうございます。
同じ夜空をお子さんと一緒に見上げていたとのこと。
きっと希望者挙手さん宅からもよく見えていたことと察し、同じ月の満ち欠けを共にしていたことに、距離を超越した同時感を嬉しく思います。
また、「金冠日食」号の運行情報もありがとうございました。
昼間の運行のため乗務できるか微妙ですが、トライしてみたいと思います。

おっしゃるとおり、寝台特急「日本海」と夜行急行「きたぐに」が来春のダイヤ改正で廃止が報じられました。多客期には臨時列車として運行されるようですが、定期運行を外されることに車掌長も落胆は隠せません。

車両の老朽化や最盛期と比較した需要減等、廃止を決めた理由はあるのでしょうが、それでも通年の乗車率が約50%あったということは存在理由を雄弁に語っています。

夜空を眺めながら移動できる列車を2本も失うのは無念です…

あらためて「哲×鉄」初乗車ありがとうございました。
またのご乗車を心からお待ちしております。

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3時間33分の銀河旅行

カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2011年12月 9日 06:13

明日12月10日、11年ぶりに時刻表に載っていない鉄道が夜空を走る。
「皆既月食」号だ。

満月が欠け始める出発時刻は21:45。
満月に戻る終着時刻は01:18。
途中、「皆既」駅は23:05着、23:58発。53分の停車時間。
3時間33分の銀河旅行だ。

今回は天候が良ければ、全国どこでも乗車(目にすること)可能。
車掌長も明日は早朝の列車でなく、「皆既月食」号に乗務予定。

 

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