51歳を迎え

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2019年2月19日 05:01

本日、51歳を迎えた。

これに先立ち、先週金曜から当車掌区でアニバーサリー・ツアーを実施した。
行先は山陰の三朝温泉に泊まり、サンライズ出雲に乗ることを目的とした。

先週末、山陰地方は芳しくない天気予報であったが、いざ朝一番の飛行機で米子空港に降り立つと、薄日が射し寒くもない穏やかな天候であった。

レンタカーで境水道大橋を渡り、島根県入り。
島根半島東端の美保関(みほのせき)を目指した。

美保関灯台の袂(たもと)に立つと、遥か遠方に薄っすらと隠岐の島影を確認できた。

来た道を引き換えし、次は美保神社へ。
ここは全国各地にあるゑびす様の総本宮として知られ、社殿も「美保造」と呼ばれる大社造りのお社が2つ並ぶ独特かつ壮麗な構えで、常々参拝したいと思っていた。

参拝後、神社を出て左側にある「青石畳通り」を散策。
狭い道幅の両脇に老舗が並び、多くの旅人を迎えた宿の趣きに昔の賑わいを眼に浮かべながら、タイムトリップを楽しめた。

とくに、詩人・西條八十(さいじょうやそ)も泊まったという老舗旅館に興味を抱いた。
彼を知ったのは、森村誠一「人間の証明」で引用された”ぼくの帽子”のフレーズだった。

「母さん、僕のあの帽子どうしたでしょうね…」
車掌長が小学校3、4年だった頃、ジョー山中の曲「人間の証明のテーマ」とともに、脳裏に焼き付いたフレーズだった。

あの何か不思議な、別の時空へ誘われるような…そんな気持ちになる詩であった。
余談だが、この曲の出だしは、最近知った「ボヘミアン・ラプソディ」を彷彿させた。

今度はぜひ、この旅館に泊まってみたいと、後ろ髪を引かれる想いで境港へ車を走らせた。

境港からはJR境線の「鬼太郎列車」で米子へ向かうが、少し時間が余ったので、水木しげるロードを散策した。幾つかの店を見ながら、所々に置かれた妖怪のブロンズ像と写真を撮ったりしたが、外国人旅行者の多さにも驚いた。

鬼太郎列車と在来線特急を乗り継ぎ、倉吉駅下車。
ここで再びレンタカーを借り、白壁土蔵群をのんびり歩き、三朝温泉を目指した。

三朝は「みささ」と読み、世界屈指のラドン含有量を誇るラジウム温泉として知られ、「放射能泉」に分類される。
車掌長も好きな温泉地であり、今回で2回目となる。

今回の宿は、徒歩で温泉街散策に便利な立地を考え、三朝橋が目の前のホテルとした。
この橋を渡れば、河原の湯や狭い路地の店が連なる温泉街にすぐ行ける。

15時のチェックイン時間を待てず、14時半に宿に着いたら、快く出迎えてもらえた。

お抹茶を戴きながら宿帳に記帳すると、仲居さんから封筒に入ったメッセージを渡され、見ると今回の旅を手配してもらった旅行会社の担当者から、心温まるメッセージが入っていた。

また、夕食時には、更に嬉しいサプライズもあった。

普段、「サプライズ」というものは、車掌長が誰かにすることがほとんどで、またそれ自体が車掌長自身の悦びでもあるのだが、今回は、想定外に車掌長自身が「される」側となった。

夕食を終え、デザートが運ばれた際、仲居さんが「電気を消してもよろしいでしょうか」と一言あり、すぐにロウソクの火が灯った可愛らしいケーキが運ばれてきた。

最初、もしかして専務車掌がしてくれたのかな!?と、専務車掌の顔を見たら、首と手を横に振り、逆に専務車掌が車掌長を指差すので、「まさか自分で自分のサプライズなんかしないよ!」と、互いに笑ってしまった。

そして、仲居さんに「どなたからでしょうか…」と聞いたところ、旅行会社の○○様からですと。
○○様とは、前述の旅行会社営業所の所長さんであった。

普段、サプライズされることなど思いもしていないので、純粋に嬉しさが込み上げた。
そして、ピンポイントの誕生日ではなかったが、少し早めに車掌見習と専務車掌に祝ってもらった。

翌朝、倉吉駅で車を返却し、観光列車「あめつち」に乗車。
天候はあいにくの小雨であったが、昨夏デビューの新しい車両の乗り心地を楽しみながら、松江を目指した。

松江から3度目のレンタカーを借り、宍道湖の北側を通って出雲大社へ。
この頃が一番雨脚も強かったが、不思議なことに、出雲大社に近づくと青空が広がった。

この好天にはビックリしたが、清々しい思いで参拝をすることができた。

1泊3日の小旅行ではあったが、最後は「サンライズ出雲」で締めくくった。
希少なサンライズツインに3名で一夜を過ごし、車掌見習にとっても、楽しい想い出になれば幸いだと思った。
 

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希望者挙手さんからのコメント(2019年2月19日 23:06投稿)

お誕生日おめでとうございます。

時々、「こんな年齢なってまで誕生日を祝ってもらうなんて」などと言ってる人が居たりしますが、私は幾つになっても、いや、むしろ年齢を重ねるほどに、誕生日を大切に過ごすべきではないかと考えています。

毎年、素敵な誕生日をご家族と過ごされている車掌長は、充実した年齢を重ねてらっしゃいますね。
これまで、お互いに山あり谷ありと、大変な時期もありましたが(笑)

私は大阪在任4年目、次の夏に山陰地方の家族旅行を計画していた矢先に、東京へ戻ることになり、その計画は未だに実行できていないので、いつかは実現したいなと思っています。

一足先に人生のB面に突入した私からは、クイーンのレコード「オペラ座の夜」のB面に「ボヘミアン・ラプソディー」が、「ジャズ」のB面に「ドント・ストップ・ミー・ナウ」が収録されているように、人生もまた、B面ならではの面白さがあると思うので、これからもお互いに人生のB面をエンジョイしていきましょう!というメッセージを51回目の佳き日に贈らせて頂きます。

車掌長さんからのコメント(2019年2月20日 05:24投稿)

希望者挙手 様

毎度ご乗車ありがとうございます
また、お忙しい時期にお祝いのコメントをいただき、重ねて御礼申し上げます。

希望者挙手さんが仰るとおり、50歳を過ぎても誕生日祝いを喜んだり、重んじたりすることに共感いたします。

年単位の節目には、元日である1月1日や、年度開始の4月1日がポピュラーですが、それは世の中のオフィシャルな区切りであり、共通ルールとして人や物事が動く基準になっています。

一方、自分自身の年単位の節目を「誕生日」を軸に考えると、1年間の流れも位置づけも、パーソナリティ感が高まります。

つまり、自身の新たな歳を迎えた日が、その歳の「元日」「年初」となるわけです。

こうのように位置づけますと、自分の人生の主役はやはり「自分自身」なのだ…と、思えます。

車掌長自身は、子どもの頃や大人になっても或る時期、「自分」が嫌いで仕方ないことがありました。

それは、多分に自分でどうしようもできない外部環境や状況の中で、もがいていた時期、心が病んでいた頃とも符合するように思います。

そんな時、その淵から抜け出る一助となったのは、生涯の中で誰よりも一番長く共にする「自分」との付き合い方であり、「自分を大切にする」生き方でした。

誤解を恐れず申し上げれば、自身が健全である基盤があって、初めて、家族を含む他者を思い、慈しんだり、その人のために…と、ときには、自身を犠牲に出来るような物事に臨めるような気がするのです。

犠牲などと、大袈裟な言い方をしましたが、時間やエネルギー、想いを費やすという意味合いの方が近いかもしれません。

長くなりましたが、そんな「自己肯定感」を援護してくれたのが、時刻表であったり、旅であり、旅の中で知った歴史上の人物が遺した言葉、詩人が紡いだ言の葉でした。

そして、音楽好きな希望者挙手さんには、車掌長自身が最近ハマってしまったクィーンにあやかった、メッセージ性の強い曲々をご紹介いただき、とっても嬉しく思っております。

さらに、希望者挙手さんが中学時代にこうした曲たちに出逢った頃をトレースして、自身の想像を膨らませ楽しんでおります。

ぜひ、これからもお互いに「ドント・ストップ・ミー・ナウ」で、まだ始まったばかりの人生のB面を、楽しみましょう!

末筆ながら、今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

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せとうち

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2019年2月 2日 05:50

1月晦日、「せとうち」というお店で食事。

同店は、鉄道好きには殊に知られた存在で、いつか訪れてみたかった。
その機会を、当乗務日誌ご常連の希望者挙手さんの計らいで、実現した。

当初は昨年の望年会で…という話だった。
しかしながら、希望者挙手さん曰く、「なかなか予約が取れない店…」とのこと。

結果、空き状況に合わせて二人の予定を調整した次第で、年明けてこの日と相成った。

千駄木駅にほど近い「せとうち」には、車掌長が一足先に着いた。
希望者挙手さんを待つ間、お店外観に見惚れ、2階へ上がる階段には「本日貸切」の札。

そう、ここは「一日一組」の客しか受けないため、予約が取りづらいことを理解した。

程なくして合流。鉄道関連の品がディスプレイされた階段を上がると胸がトキメキ、店内に入った瞬間、そのボルテージは最大値となった。

店内には、国鉄時代の車両や駅、設備等の看板類や部品、書籍等が無造作に置かれ、昭和時代へタイムトリップする、独特な雰囲気を醸し出していた。

それは、ミュージアムのような整然と並べたり解説を施すような「見せる」ためものではなく、故創業者が収集した膨大なモノたちのひとつひとつが、まさに「遺産」として静かに時を重ね、雄弁に歴史を語っているように感じた。

お店の創業は、実に東海道新幹線開業年(1964)とのこと。
今でこそ、鉄道をテーマにした飲食店は多数あるが、草分け的存在と言える。
店舗の建て替えこそあったものの、55年の歳月を感じとった。

お店の方にピアノの天板を利用したテーブルに案内され、希望者挙手さんが車掌長にアサインして下さった席は、0系グリーン車で使用されていた座席であった。

同座席は0系でも使用されていたが、「R31」と呼ばれるこの重厚感溢れる座席、車掌長にとっては、東北新幹線開業時の200系で使用されていたイメージが強く、0系はむしろ「R25」という、初代0系の方が固定観念として強い…だが、そんな細かい話は隅に置いて、座り心地を満喫させていただいた。

コース料理のように出される「おまかせ」料理は、大変美味しく、会話を邪魔しない程度に流れるBGMの列車走行音も、旅情を掻きたてるもので素晴らしかった。

希望者挙手さんとは、昔の話を懐かしんだり、互いの近況を報告し合ったりしたが、最近車掌長がハマってしまったクィーンの映画や音楽について、熱っぽく語ってくださる様子が、とても新鮮だった。

やはり、ご自身が好きな事やものをお聞きするのは、何歳になっても興味深く、車掌長自身の未知な世界を広げていただき、とても楽しいひとときだった。

末筆ながら、希望者挙手さんには、このたびの御計らい心よりお礼申し上げます。
また、東京駅丸の内にあるエノテカ限定「SHINKANSEN CAVA」まで戴き、サプライズでした。

如月(きさらぎ)は、車掌長の誕生月でもあり、その日に開けさせていただきます!
本当にありがとうございました

 

コメント(2件)

希望者挙手さんからのコメント(2019年2月 3日 22:59投稿)

こんばんは
喜んで頂けて、よかったです。
私も久しぶりの楽しい時間を堪能させて頂きました。

見るもの、触るもののすべてが刺激的な、想像以上に鉄分の濃いお店でしたね(笑)
お店の見た目、雰囲気ばかりでなく、料理は本当に美味しく、ボリュームたっぷりで、満足度はとても高かったですね。

新幹線CAVAを知った時は、ぜひ車掌長に飲んで頂きたいと思いましたが、車掌長のことなので、もしかしたら既に飲まれているかも?とも思え、一瞬迷いましたが、私自身も飲んでみて、これなら被ってしまったとしても良いなと思える美味しさでした。
新幹線CAVAはラベルだけ貼り替えているのではなく、中身も専用に作られているということです。
ぜひ、お誕生日に専務車掌と祝杯を上げてください。

次回は、クイーンを歌いましょう(笑)

車掌長さんからのコメント(2019年2月 4日 04:53投稿)

希望者挙手 様

毎度ご乗車ありがとうございます

確かに「せとうち」の鉄分は濃すぎて、ディスプレイの品々も飽和状態な感が否めません。

されど、訪れる人々が店内に残してゆく想いの丈(たけ)は、まだまだ店内の雰囲気に溶け込める不飽和状態であり、今後ますます、その重厚さは増してゆくことでしょう。

車掌長自身は、既に廃止となって久しい清水港線にあった駅の1つ、「しみずふとう」と書かれた駅名板がとても懐かしかったです。

新幹線CAVAもありがとうございました。
speciality感が高まるラベルが良いですネ!

僭越ながら、近々迎える51歳誕生日の祝杯に、栓を抜くのが楽しみです。

クィーンの歌で思い出しましたが、希望者挙手さんもかなり、高音が出せますよね!

専門学校教員時代、ご一緒したカラオケでユーミンの「埠頭を渡る風」を熱唱され、感動したことを思い出しました。

そうそう!
翌日行かれた別ジャンルの酔狂なお店の話、またぜひ次回聞かせてください。

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航空会社と空港の定時運航

カテゴリー:②番線:航空、船舶、バス方面 2019年1月20日 05:20

今朝の某新聞、或るランキングの記事に目が留まった。

それは、世界の航空会社と空港の「時間の正確さ」を数値化したもので、イギリスの航空情報会社OAGが発表したものだった。

「OAG」という文字を久々に見て懐かしく思った。
なぜなら、車掌長が30年近く前、某旅行代理店に勤めていた頃に、よく眺めていた国際線の時刻表だったからだ。

それは、当時も車掌長が愛用・愛読していた日本の鉄道の時刻表と違い、世界中の国際線を網羅したものであるから、サイズも大きく、分厚く、高価であり、車掌長の薄給で買えるものではなかった。

当時も既に、航空会社の座席予約は、オンラインで手配できるようになりつつあった。
車掌長の勤務先にも、日本航空及び米ユナイテッド航空の端末があり、フライトスケジュールや予約状況をモニター上で確認するのが、楽しみでもあった。

とくに、米社端末では、車掌長の好きなコンコルドの予約状況も確認できた。
コンコルドは実用面で種々の問題があったが、超音速飛行を追及し可能とした機体デザインの美しさは、いつかは乗ってみたいと憧れた飛行機だった。

しかしながら、日本には定期便での発着は無く、せめて端末上で気分を味わった。

ロンドン~ニューヨーク間に、BA(英国航空)のキャリアコードと「001」便と入れれば、即座にコンコルド専用の予約クラス「R」の残席状況を確認でき、搭乗者名も自身のものを入れ、あとは、enterを押せば予約できてしまうワクワク感を、つつましく楽しんだものだった。

OAGの話から、つい時間旅行を楽しんでしまったが、元に戻そう。

そのOAGが発表したランキングによると、世界の上位20社を対象とした主要航空会社部門の順位で、日本航空は前年の首位から3位に転落したとのこと。

それは、最近ニュース等で報道され実態が露呈した、パイロットらによる飲酒検査による遅延等にも原因があると推測されるが、定時運行は日本の航空会社の誇りでもあっただけに、このランキング結果は残念に思えた。

当該ランキングによると、2019年版の首位はラタム航空(チリ)、2位はANAであった。

一方、世界の巨大空港部門における定時運航の順位は、首位が羽田(東京)空港、2位アトランタ(米)、3位チャンギ(シンガポール)とのことであった。

しかしながら、車掌長はアトランタ空港を訪れたことはないが、チャンギは幾度かあり、その空港規模や発着便数は、羽田の比ではないことを加味すると、同じ「巨大」部門として順位を付けるのは、疑問を抱いてしまった。

なにはともあれ、現在、日本への外国人旅行者(インバウンド)は、過去最高を毎年のように塗り替え、活況を呈しているが、そんなトラベラーにとって、定時性の高い日本の航空会社や空港は、歓迎されることに違いない。

ところで、インバウンドの賑わいはもちろん結構だが、願わくば、日本人の若年層には、多感な年頃にもっともっと、未知な世界を求めて、海外へ飛び立ってほしいと思ってしまう。

それは、経歴として就職に役立つとか、横文字の資格・学位取得であっても大いに結構だが、そんな目的化した打算で自分を納得させるのではなく、もっと単純明快に、若い時だけに抱ける特有な好奇心だけで良いと思う。

「何でもこの目で見てやろう」とか、現地で「生」の異文化や体験をしたいという、動機とパスポートだけで飛び立てば、きっと、自分自身も気付かなかった「自分」に出逢えることだろう…

今の若い人は幸運にも、非常に安価で海外へ飛び立てる。
車掌長の学生時代は、格安航空券を使っても、欧州へは二十数万円もしたのだから…

高い航空券を手に入れるため、過酷な物流会社の夜勤バイトを続けた辛酸を思えば、或る意味、今という時代が、費用的な負担については、応援してくれているとさえ思えて羨ましい。

アルバイトをする学生も多いと思うが、自分の時間と引き換えに得た貴重な金銭を、何に使うかは、重要な意味がある。

もちろん、それを日々の遊興費に充てるのも、自身の選択であり、一方、苦学生であれば、学費や生活費に充てざるを得ない人も少なくないことは存じている。

末筆ながら、「自分探し」という言葉がある…
たかだか、50年と少しを生きただけの車掌長が言うのは、生意気であり僭越だが…

人は一生、「自分探し」の旅を続け、幕を閉じるのだと思う…

そして、自分と向き合わなくなったとき、ひとは「老いる」のかもしれない。

 

 

東北新幹線の速度向上

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2019年1月14日 05:43

今朝の某新聞一面トップ記事のこと…

盛岡~新青森間(178.4㎞)について、320キロ運転実現に向けて動き出すとのこと。
現在同区間は、車両自体は宇都宮~盛岡間を同速度で運転しているが、盛岡より先は260キロに抑えて北を目指している。

確かに、実際に乗車してみても、盛岡まで320キロで走行してきたE5系が急に遅くなった感は否めないし、違和感もあったが、それは「整備新幹線」という位置づけで1973年に計画され、その基準上止むを得ないそうだ。

しかしながら、このたびJR東日本がその基準をクリアできるよう、防音壁のかさ上げや吸音板の設置などを進め、260億円をかけ約5年で320キロ運転を実現させるという。

ちなみに、その実現における時間的効果は6分短縮だそうだ。

また、この話には更に先を見越したものがあるという。
それは、2030年開業を目指して建設が進む、北海道新幹線の札幌延伸時の、対航空機競争。

鉄道と航空機が利用者争奪を競う際、一般に「4時間の壁」という目安がある。
それは、移動が4時間以内であれば、航空機よりも鉄道利用の方が増えると言われるラインであり、現に東京~広島間辺りは熾烈な競争を繰り広げているのは、周知のこと。

そして、北海道新幹線札幌延伸時までに、360キロ運転が可能な車両の開発も既に動き始めており、それら全てが整った暁には、東京~札幌の所要時間はこれまで約5時間と言われていたが、4時間半程度まで短縮でき、少しでも航空機利用から鉄道への流れを巻き起こす、利用者のチョイスも分かれそうだ。

たしかに、先週末の豪雪で新千歳空港が運用できず、約2000名の人々が空港で一夜を明かしたとか、予約の振替ができず二晩を余儀なくされた方々も少なからずいたことをニュースで見ると、航空機以外の足もあった方が、有難かったに違いない。

その上で、車掌長は更に一歩踏み込んで、現実的な要望・願望としたいことがある。
それは、本州~北海道移動における夜行寝台列車の復活だ。

この新幹線の整備計画に、もはや異論はないが、ただ気がかなりなのは、巨費を投じ盛岡~新青森間を6分短縮させるために約5年、更に札幌延伸まで約10年余りとは、あまりに時間がかかり過ぎる。

また、新函館北斗までしか営業していない北海道新幹線は、2017年度に98億円の営業赤字を計上し、超繁忙期以外の利用率低迷もあり、振るわない状況のようだ。

そんな現状を踏まえ、異常気象時の航空機利用も止まった際に、比較的雪にも強いとされる鉄道の強みを発揮し、本州~北海道間の利用客の選択肢を確保するためには、やはり直通の夜行寝台列車の活躍を切に望みたい。

幸いにも青函トンネルは今も貨物列車走行がなされ、在来線の列車が走行できる環境を保持しているのだから、実現には時間的にも、費用的にも抑えられ、あとはダイヤ上の工夫を施せば、5年もの時間を待たずとも可能なように思われる。

また、本州~北海道間の鉄道利用者の減少を招いたいのは、子どもから大人まで絶大な人気を誇った「北斗星」や「トワイライト・エクスプレス」「カシオペア」といった、乗車自体が北海道旅行の「目的」や「憧れ」となるような看板役者の不在も挙げられよう。

更に、「はまなす」のような所用・商用向けの観光以外の利用目的にも重宝した、名脇役の不在、仕掛けの撤去が、少なからず要因としてあったように感じてしまう…

願わくば…JR側の経営上、復活を拒みたい理由は種々あるのだろうが、鉄道旅行の「ロマン」や「夢」という、株価向上にはなかなか数字として効果が現れにくい事案であっても、利用した人々が一生の想い出となったり、「働き方改革」の進展によっては、ゆったりした移動時間を好んだり価値を見出せる人々が、「新たな発想」を閃(ひらめ)かせる舞台や空間にもなり得るのでは…と勝手ながら妄想してしまう。

スピードアップによる利便性の向上も大いに結構、一方、その逆の価値観となる「サービスアップ」も提供してもらえれば、幸いだ。

念のため補足すれば、その「サービスアップ」は、大人が背伸びや垂直跳び、三段跳びをしても手が届かない絶望を抱くような、富裕層しか乗車できない豪華列車だけでは徒花(あだばな)になってしまう。

せめて、子どもであってもコツコツと小遣いをためて「夢」が実現できる、大人も少し頑張って奮発すれば、家族で楽しめるような、そんな夜行寝台列車だと有難い…

いま、夜行フェリーが大人気だという。
背景には、長距離物流を担うトラック・ドライバーの休息を確保しながら、運搬ルートの大半を移動できるメリットに加え、一般乗客も船旅の良さを再認識し、「急がない旅」に目覚めた人々が、各航路の新造船ラッシュも相まって、ホテル滞在のような移動を楽しめるとあって、人気が急増しているそうだ。

一方、夜行高速バスはだいぶ居住性も向上したが、そもそも窮屈だったり、高速道路網の発達で地方中核都市まで大都市とダイレクトに結ばれ便利になったが、渋滞に巻き込まれた際の時間的損失や徒労感は、その選択に対し後悔の念すら抱いてしまう。

そして、何よりもドライバー自身の健康状態や、防ぎようのない他車ドライバーの居眠り、突発な無謀・危険運転等にも起因、直結する重篤事故に対し、安眠中の幾人もの大切な命を預けて走っている現状は、万が一の際、「安さ」「便利さ」が瞬時に引き代わる「負の代償」は、想像が尽かないほど折り合わない。

長々と綴ってしまったが、東北新幹線のスピードアップの記事から、いまいちど、鉄道の優位性を発揮できる夜間の移動手段を望みたい、と考える朝であった。

ところで、今日は全国的に穏やかな天候で、成人になる人々を祝えそうだ。

また最近は、これまでの成長や遠くない将来を担うお子さんたちへの希望を託す、1/2成人式というのもあるそうだ。

末筆ながら、どちらの人々(お子さん)にも、心からお祝い申し上げたい。

 

decide

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2019年1月11日 04:57

「ボクがきめる!」

それは数日前、夕食後の他愛ない会話の中で、車掌見習が発した言葉だった。

会話の内容自体は、ここでご紹介するほどではないので、割愛させていただく。
しかしながら、初めて耳にしたその言葉に、車掌長はとても嬉しい思いが湧き起った。

自身で決める…
これは、車掌長が人生で大切にしてもらいたい…と願う、「生きる力」のひとつだ。

もちろん、いまの車掌見習には、そのような「力」は、まだ微塵もない。

ただ、「ボクが決める」と、その意思を表出したことは、大いに意義がある。

自分がどうしたいのかは、たとえ車掌区内の上司・部下(世間では家庭内の親子)であっても、なかなかわからないことが多いのも事実だからだ。

あとは、その意思の根拠を「言葉」で上司に対し説明したり、理解を得られなければ、それは単なる「我がまま」や「独りよがり」で終わってしまう。

また、その「決める」ための選択肢や判断材料を、日々の生活にある体験や経験から増やしていってほしい。

更に、旅という人生経験の縮図のような時間の中で、問題や課題にぶつかり、考え、選び、実行する一連の行動を繰り返しながら、磨いていってもらいたいと願う…

そして、その一助となるのは、当車掌区においては「時刻表」だ。
車掌見習も、だいぶスジ(各列車のダイヤ)を追えるようになってきたが、それはもちろん机上の話であり、実行に移すにはまだ拙いし、一定の時間を要する。

ある程度の年齢に達するまでは、その援助は惜しまないが、いずれは「見習」という立場から巣立たなければならない。

その時期は、上司が思っているほど、そう遠くない時に突然、訪れるかもしれない。
こちらの心の準備も整わないうちに…

そんなとき、嬉しい反面、寂しい思いをするのも、また上司なのであろう…

【以下、車内放送】
今回の「decide」をもちまして、乗務400回を迎えられましたこと、ご報告いたします。

2年ほど前から、急に車掌長の本来の仕事内容が変わり、なかなかダイヤ復旧に時間を要してしまいましたが、やっと通常運行のリズムを回復しつつあるように感じております。

どうぞ今後とも、当乗務日誌を気晴らしに時折覗いていただければ、幸甚に存じます。
 

コメント(2件)

希望者挙手さんからのコメント(2019年1月25日 21:28投稿)

こんばんは。
遅ればせながら400回乗務おめでとうございます。
この記事を拝読し、車掌長にぜひ聴いて欲しい曲を思い出しました。
それは先日、車掌長もご覧になった「ボヘミアン・ラプソディー」で話題沸騰中のQueenの「Father to son」(邦題は父より子へ)という曲です。
曲はYou Tubeで聴けますが、何よりも歌詞が車掌長と車掌見習いのお二人にぴったりだと感じました。歌詞もインターネットで色々と検索できますので、お時間のある時に調べてもらえたらと思います。

この曲は映画でもほとんど触れられていない、クイーンのセカンドアルバム「Queen Ⅱ」に収録されています。
このクイーン・ブームにおいて、あまり注目されていないアルバムです(車掌長が買われたベストアルバムには一曲も入ってないかもです)が、中学生だった私は、友人から借りたこのアルバムに衝撃を受けて、当時、とても高価だったCrO2(クローム)テープ、ソニーのJHFにダビングした程です。
当時、ダビングといえば、ほぼBHF、お気に入りは少し奮発してAHFでしたので、この力の入れようは車掌長ならご理解頂けますでしょうか?(笑)

きっと車掌長にも気に入って頂けると思いますので、お時間のある時に聴いてみて下さい。


車掌長さんからのコメント(2019年1月26日 05:15投稿)

希望者挙手 様

毎度ご乗車ありがとうございます

今朝早速ながら、「Father to son」拝聴いたしました。
曲も歌詞も、何とも荘厳であり、壮大かつ神々しさを覚えました。

「父より子」へ…という粋を超え、「神から人間」へとさえ思えるスケール感でした。

そして、想いを込めた言葉に宿る「命」が、世代を受け継ぎ、継承されてゆく不変的な法則性を教えてくれているように思いました。

更に、人はその伝承という行為において、受ける側は、なかなか素直にそれを持ち得ようとはしませんが、自身がその立場になったとき、結局、同じような境地に立ち、親や前世代から教わったり、無意識に感じ取った「バトン」を、子や次の世代に残そうとするのかもしれません。

このたび、希望者挙手さんからご教示いただいた曲は、車掌長にとりまして、Queenが放つ世界観を遅まきながら享受できたと思います。

また、歌詞は最初、日本語を見てから英語も見ました。

車掌長は、常日頃、日本語は美しい言語だと思っていますが、外国の曲を翻訳したものを目にすると、どうしても、日本語が「表意文字」であることを認識し過ぎてしまいます。

表意文字とは、言葉どおり、ひとつひとつの文字が意味を持つものです。

したがって、或る一文字を見れば、それだけで意味さえ伝わる場合があります。

一方、英語は「表音文字」であり、ひとつひとつの文字が持つ「音」の組み合わせが音節を構成し、意味を成し、人々が理解するものと言われています。

車掌長は、Queenの曲を、作ったアーティストの想いのままに、美しい曲に乗った「表音文字」のままに、世界観を感じ取れるようになりたいなぁ…と、希望者挙手さんのご紹介を機に感じてしまいました。

さきほど、「遅まきながら」という言葉を使いつつも、何か始めることに「遅い」も「早い」も、そもそも無いのかもしれません。

「五十の手習い」という言葉があったか、それは不確かであり我流かもしれませんが、もう一度、英語を勉強してみたくなりました。

末筆ながら、「父より子」へという言葉に触れ、希望者挙手さんのご尊父様には、是非一度お会いしてみたかったです。

数々の伝説をお持ちの父上に、お会いすることは叶いませんでしたが、車掌長が抱く父上のイメージの片鱗は、希望者挙手さんご自身の行動や考えから、お見受けできるように思います。

そのように、第三者が感じ取れることも、DNAというものの「伝承」なのかもしれません。

追伸
クロームテープ、とっても懐かしいですネ!
HFシリーズのラインナップだった、AHF、BHF、CHFの各色ラベルを思い出しました。
AHFも高価だったと思いますが、更に上位のJHFでダビングとは!
希望者挙手さんの思い入れを、ヒシヒシ感じます。
もしや、INDEXカードもかなり凝ったのでは…?!
なんだか、つい最近のような気もしますが、とても懐かしく、愛しく感じます。




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