幻の110点

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2017年1月10日 05:29

今日は「110番の日」とのこと。

110番は何度かしたことあるが、初めてしたのは小学生高学年。
そのときは、受話器を取る手が震えたのを覚えている。

状況は、或る日曜の朝、自宅近くの商業施設で放火犯を通報したこと。
小学低学年の従兄弟を連れ散歩をしていた際、ふと或る建物のゴミ置き場に立っていた男性の前で、突然炎が立ち上がり、その場を去る男性を目にした。

たまたま、そこを通りかかった中年男性に放火を知らせて一緒に消火を行い、まだ近くを徘徊していた男を見つけ「あの人が火をつけた」と伝えたところ、その男性は放火犯と思われる男を追い、「キミは110番して!」と言われ、近くにあった赤い公衆電話に手をかけた。

応答後、駆け付けた警官に男は連行された。

そして、当方は別のパトカーで所轄署に行き、取調室にいる放火容疑の男性を、覗き窓から見て、本人に間違いないかを訊ねられ、頷(うなず)いた。

それが車掌長が初めて110番というものをした想い出で、その後は、事故等の目撃だ。

110番以外に、「110」にまつわるエピソードがある。

高校入試の受験番号が110番だったこと。

他には、小学2年の時、漢字テストでクラス唯一100点満点を取ったことがあった。
そもそも漢字は、時刻表の駅名を眺めることから興味があり、好きだった。

たまたま100点を取ったのはとても嬉しかったが、もっと嬉しかったのは、担任の先生が「頑張ったから110点だ!」と言ってくれたこと。

もちろん、答案用紙上は100点だが、その「110点」と言われた耳の中での響きが、ものすごく特別だったことを覚えている。

人は誉められれば、照れくささこそあれ、純粋に嬉しいものだ。
それは、子どもも大人も共通の感情だと思う。

今年は仕事においても、誉めることを意識的に行おうと思った110番の日であった。
 

新年は旧型客車に乗って

カテゴリー:①番線:鉄道(JR・私鉄)方面 2017年1月 7日 16:53

恭賀新年

例年、年明け最初の「大安」に初乗務していたので、本来であれば今年は3日に綴るべきところ。
しかしながら、本年は2日から出掛けっぱなしであった為、せめて正月七日までには…と思い、珍しい時間帯に只今綴っている由。

その間のトピックスと言えば、専務車掌の実家へ帰省の折、車掌見習が切望していた「リニア・鉄道館」へ連れていったこと。

そして、二人は少々長めに実家に滞在する為、帰京は一人であったが、日頃お世話になっている「哲×鉄」保線区に泊めていただき、新年を祝ったこと。

その際、保線区長の本来の仕事で数か月に及ぶビッグなプロジェクトが完遂との報。(保線区長は仕事の密度が非常に濃いので、一般的には数年分の業務量だったかも!?…)
更に、今後も佳き展望が開けそうな話も聞け、祝杯を重ね美酒をいただいた。

帰京した日、前職医療機関勤務時の同僚らと再会。昭和な雰囲気の某お好焼屋で、当時の懐かしい話や互いのプライベートな話を突っ込んだり、突っ込まれたりしつつ楽しいひとときを過ごした。

そのお好焼き屋に行く前、某駅みどりの窓口で、ダメ元で7日運行の「SLレトロみなかみ号」の空席を照会したら、残2席との返答。一切の迷いなく、即座に1名分の指定席券を買ってしまった。

そして、本日。
朝5時に家を出て、新宿から埼京・川越、八高線経由で高崎入りし、9:56発のSLを出迎えた。
機関車はC6120。しかも旧型客車6両を連ねての入線には、童心に戻りワクワクしてしまった。
ホームに停車中の各客車の床下からは、車内を温める蒸気暖房の湯気が漂っている。

この光景は、大袈裟ではあるが、映画「さよなら銀河鉄道999」で、ラーメタル駅での鉄郎とメーテルとの再会シーンを思い出してしまった。

旧型客車は、車掌長が小学生から高校生くらいまで、各地へ追い求め乗った車両…

当時は長距離鈍行列車というものが幾つも存在し、例えば、1本の列車が山陰本線を18時間以上かけて走破したり、名古屋から紀伊半島を一周して天王寺までを夜行区間を含んで走るなど…いま思い振り返れば、とてつもなく贅沢にノンビリとした時間の使い方の旅ができた時代だった。

最後尾の車両からは、オープンエアで流れ去るレールを飽きることなく眺めたり、窓の開く座席からはその土地の匂いを景色に添えて楽しめた。

スマホもない時代、向かい合わせで座った者同士が、目を見て、気さくに言葉を掛け合う、生きたコミュニケーションができたのも佳き想い出だ。

今回の突飛な行動は、そんなノスタルジーが呼び起こしたに違いない…

実際に乗った感想は、「感無量」。
記憶というものは、やはり実物に触れたり嗅いだ匂いで、鮮明に過去と現在を結びつけてくれた。

車掌見習には、まだまだ新幹線の方が魅力的かもしれないが、親が味わった時代の空気を感じられるような機会をつくってあげたいと思った。

それを本人が好こうか、好くまいかは、別の話だ。
ただ、その経験はきっと、時を経た何かの折に、脳内で有機的に何かと結びつくかもしれない。

経験の有無とはそういうものだ、ということを車掌長は認識している。

見聞だけでない、リアルな体感や経験こそが、きっと役に立つことこそあれ、無駄にはならないと思う…

末筆ながら、今年も独りよがりな見識を綴り、見苦しいこともあると思いますが、よろしければお付き合いのほどお願い申し上げます。

日頃、「哲×鉄」にご乗車いただいている皆様におかれましては、本年も佳き御年になりますこと、心から祈念しています。
 

毎日新聞「ハマりました」掲載で新たな出逢い

カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2016年12月31日 06:03

12/7付、毎日新聞の「ハマりました」欄で、車掌長が紹介された。

同欄は、「趣味に没頭し、至福の時を過ごす人々」を紹介するコーナー。
車掌長は、「時刻表を読む 文字と数字に膨らむ好奇心」と題し、机上旅行に出て40年、JTB時刻表収集659冊というプロローグで、時間旅行にハマっている様子を記事にしていただいた。

そのことは、車掌長自身にとって大変嬉しい出来事であったが、掲載後に続く或る御方々とのご縁に、新聞という媒体が紡ぐ素敵な出逢いを実感した。

その御方々は新聞社を通じ、過去の時刻表を収集する車掌長へ想い出の品を譲って下さった。

難病で御子息を亡くされた母上からは、生前にご本人が収集した時刻表で最期に残っていた形見でもある貴重な1冊を、「やっと託せる場所が見つかった」という想いとともに、車掌長に授けてくださった。
偶然だが、その御子息は車掌長と同年齢であった…

また、別の御方からは、ご自身が学生時代に旅した際に購入したという、鉄道地図を譲ってくださった。

発行は1959(昭和34)年5月とあり、今は無き鉄道路線(特に軽便鉄道)が、日本中を張り巡らせていた様子を窺(うかが)い知れた。

日本の鉄道史上、最東端を走っていた根室拓殖鉄道(根室~歯舞)や、炭鉱全盛時の路線網、中央本線の支線となる三鷹から分岐していた武蔵野競技場線他…
ここに列挙が困難なほど、今では信じ難いような場所に鉄路が延びていた。

同地図の特色として、時刻表掲載の地図とは違い、一目で電化・気動車区間がわかるようになっていた。
地図の表紙にもその意味する記載があり、蒸気機関車の煙を気にせず旅ができることを、人々が望んでいたことを察した。

また、寄贈者が旅を計画した際に記したと思われるマーキングも、今まで知る由もなかった御方の学生時代の旅をトレースするようで、思わず目を細めてしまった。

この場を借りて、「ハマりました」をきっかけに出逢えたご縁に感謝いたします。
そして、担当記者の御方にも、お礼を申し上げます。
皆様、ありがとうございました。

今朝、これらの出来事を通じ、時刻表という雑誌につくづく色々な想いを馳せた…

一般的に「時刻表」とは、ひと月ごとに最新のダイヤを掲載し、次号が出て役目を終えた後は、廃棄されたり、人々の記憶からも消えてゆく運命にある。

しかしながら、このように手元に残しておくと、それらは史料的な意義を帯びたり、人々の脳裏に置き忘れていた様々な記憶を呼び覚ます、「玉手箱」のような存在だと…

車掌長はその玉手箱を開ける幸せを感じ、今後も時間旅行を楽しんだり、共有できる人々との出逢いを大切にしてゆきたいと思った。

それは、これまで同様、単に時刻表収集を目的とするのではなく、今後もご縁のあった方々の半生にも共感し、お互いにその時間旅行を楽しめる「タイムトラベル・コンダクター」として、趣味人としても、時刻表とともに残された人生を過ごしたい…と、大晦日の朝に想いを振り返った。

末筆ながら、本年も「哲×鉄」へのご乗車、誠にありがとうございました。
今年後半は、仕事の関係で乗務日数が激減しましたが、今後も不定期ながら乗務を続けて参ります。

どうぞ、皆様におかれましては、迎える御年が佳き一年となりますよう、心からお祈り申し上げます。

 

特急「あずさ」号50周年記念

カテゴリー:③番線:時間旅行、時刻表方面 2016年12月11日 05:35

♪明日私は 旅に出ます
 あなたの知らない ひととふたりで

兄弟デュオ"狩人"が歌う「あずさ2号」は、当時(1977年)小学4年生になる春に大ヒット。
中央本線の特急「あずさ」は、一躍その美しい響きの名を全国に馳せた。

その頃、ひとりで箱根の旧東海道の杉並木を歩くような小学生だったが、歌詞の深い意味などわからずに、その心寂(うらさび)しげなイントロと裏腹に、別離から新たな旅立ちを決意する躍動感あるサビ部分が、強烈に印象に残った。

この曲のヒット以降、車掌長にとっての心理的な「新たな旅立ち」の描写は、"8時ちょうどのあずさ2号"であった。

また、通った小学校の校舎の一部や屋上からは、通過する「あずさ」を見るのが楽しみだった。
とくに、下り列車は毎時00分に新宿を発車していたので、その数分後に学校前を通過するが、その時間は気も漫(そぞ)ろであった。

そんな想い出深い「あずさ」が、明日12月12日、誕生から50周年を迎える。

現役の特急愛称名(新幹線を除く)としては、長老の部類に入り、観光やビジネスに多くの人々に利用され、愛された列車名だと思う。
また、走行ルートが山岳路線を含み、急行「アルプス」とともに、銀嶺を目指すハイカーにも人気があった。

誕生50周年ということで、当時の交通公社時刻表1966年12月号を出してみた。

当該号の表紙は、やはり「あずさ」。
上野原付近の鉄橋を181系車両が、誇らしげに桂川を眼下に渡っている。

また、巻末の読者向けの「おたのしみページ」には、"中央線のすべて"や"特急「第1あずさ」試乗記"などの特集を組み、運転開始を記念していた。

当時は10両編成中、食堂車と1等車(現グリーン車)2両を組み込み、全車指定席で、新宿を出ると甲府と上諏訪にしか停車せず、1日2往復運転のまさに「特別急行列車」だったことが窺(うかが)えた。

いまや、定期列車としては1日18往復も走り、新幹線開通で特急が壊滅する「負の影響」を受けず、在来線特急の旅を満喫できる貴重な列車(路線)だと思う。

とは言え、並行する中央道の高速バスとの競争も、長年意識してきた経緯があり、更なるスピードアップは課題なのであろう。

今後も同じ列車名で走り、末永く愛されることを、心から願ってやまない。
その美しい名は、上流部に上高地を流れる「梓川」(あずさがわ)に由来している。

その心が洗われるほどの清冽(せいれつ)な流れのように、利用する人々のデトックスにも資するような、心の拠り所となる列車であり続けてほしい…

 

 

温泉達人会 会報vol.10

カテゴリー:⑥番線:温泉方面 2016年12月 9日 04:00

「温泉達人会」会報vol.10が世に出た。

今号は温泉達人会創立20周年と、会報創刊10周年が重なった記念号だ。
例年の会報は、会員有志十数名が自身の温泉巡りやこだわりを寄稿する体裁だったが、今号は下記のような特集が組まれた。

・温泉達人会「温泉番付」
・温泉達人会「MY BEST温泉」
・会員有志の温泉レポート
・温泉達人会の歩み

先ず、「温泉番付」だが、下記の方法により選定された。(会報より抜粋)

各会員がこれまでに入った温泉からベスト100を選出。1位を100点とし、以降2位を99点、3位を98点と、1点減点方式で100位1点まで点数をつけ、総得点を集計、日本列島を東西に分け、各35湯までの番付を作成。
※2016年10月現在、諸般の事情で入浴ができない温泉は番付から除外しています。

東西の横綱は、東が「鶴の湯温泉」、西が「新穂高温泉」となった。
大関以下は、ぜひご自身でご覧になって確かめていただきたい。

温泉番付は、温泉達人会会報としては豪華なオールカラーで構成。
やはり、温泉の写真はカラーの方が楽しめるなぁ…と実感。

つぎに、「MY BEST温泉」は、会員ごとに1頁を割り当てられ、会員自身のベスト30を掲載。それらの温泉のコメントや会員の紹介が付されている。

温泉番付は会全体のランクだが、こちらはパーソナリティが溢れており、大変興味深い。
普段は知り得なかった、各会員の温泉に対する素顔を垣間見る気がした。

ちなみに、車掌長の第1位は北海道の「セセキ温泉」とした。

ランク付け自体、各会員にとっては難航したり、抵抗があったと察する。
それは、どれもが点数化して一様に優劣付け難い「想い出」があるからであろう。

車掌長も自身の頁に記したが、温泉とは誠に不思議な力を持つもの。
それは、脱衣所に掲げられる「分析書」にはない効能。
時を経ても冷めることのない、心温まる想い出…
これこそが、車掌長自身が信じる温泉の「効能」だと思う。

番付や各会員のベスト30に名を連ねた温泉のうち、半分以上お分かりになった方は、かなりの温泉好きだと思う。

各会員にとっては、どれも頷(うなづ)ける温泉名だが、車掌長も知らないような温泉を、他の会員の頁を見てしることもあった。

一般的な感覚としては、旅行会社の店頭に並ぶパンフレットや、本屋で平積みされる観光ガイドブックでは、まず見かけないような名前ばかりなので、多くの人には馴染みが薄い温泉ばかりかもしれない。

しかしながら、こんなにも素敵な(マニアック)な温泉を一度味わったら、価値観が540度変わる恐れがある。
これは或る意味、温泉の「魔力」とも言えよう。

末筆ながら、車掌長が寄稿した毎年恒例の子連れ温泉レポートは、「あいのり温泉」を紹介した。
この温泉名を聞いて青森県と分かった御方は、相当詳しいと思う。

この温泉の離れ「観月亭」は、リーズナブルに"驚愕の露天風呂の広さ"を擁する「露天風呂付客室」で寛げると宿として、自信を持ってオススメしたい。(と言うものの、あまり有名にもなってほしくない。)

1人用か、せいぜい2~3人用の湯舟の露天風呂付客室に満足できない方は、この宿の離れを一押ししたい。

なお、温泉達人会会報vol.10は、有名書店の一部で購入できる部数限定販売だが、ネット上でも購入可(本体1,000円+税)。
もしくは、温泉達人会ホームページ宛にお問い合わせいただいても結構。

ぜひとも価値ある今記念号をお手元に置き、日本の財産でありながら、未だ知られざる温泉の魅力を探訪する旅に出ていただければ…と願う。

 

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