ガソリンスタンドの有り難味

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2015年10月21日 05:26

先日、同僚の車が仕事先に向かう途中パンクした。

たまたま、その同僚と同じ仕事先に別の車で到着していた車掌長。
連絡を受け、幸いにもさほど遠くなかったので、立ち往生している現場へ駆けつけた。

見ると、左後輪がペッタンコで、パンクに気付かずかなりの距離を走った様子であった。
既にロードサービスに連絡済とのこと。

同僚の積んでいた機材を車掌長の車に移し替え、同僚には仕事先に向かってもらい業務に支障が出ないようにして、車掌長が救援を待って車両に関する対応を行った。

やがて某ロードサービスのローダー車両がやってきて、パンク具合をチェック。
修理では済まないと診断され、新タイヤへの履き替えが必須とのこと。

スペアタイヤに無償で交換できると言われたが、あいにく最近のワンボックス車は、低床化でスペアタイヤを積んでいないものがあり、純正のパンク修理剤しか車内には存在しなかった。

ふと近隣に目をやると、ガソリンスタンド(GS)の看板!
200mほど走り、該当するタイヤサイズの在庫や交換作業の可否を確認した。
幸い、在庫もあり作業もすぐ可能と言われ、ロードサービスの車載車に積んで運んでもらった。

作業中、GSスタッフの話によれば「幸運」でしたね、とのこと。
理由は、最近はセルフスタンドが多く、そういう所にいるスタッフは、保安要員として店内にいるだけで、修理作業的なことはできない場合が多いらしい。
また、何よりもGS自体が激減しているから、こんな近くにあったこと自体がラッキーという趣旨であった。

たしかに、最近のテレビの情報番組でも見たが、GSはここ10年比で大幅に減っており、殊に高速道路では、次の給油先まで150㎞という区間もあるという。
また、地方では町村内に1軒もGSがないという、ガソリンだけでなく冬季の灯油確保など、生活に直結した深刻な地域もあるようだ。

原因としては、ハイブリッド車の普及や高齢化及び若者の車離れによるドライバー自体の減少などがあるようだが、近年話題になったガソリンタンクの設備更新に莫大な費用がかかり、それを零細な個人経営者が捻出できずに廃業するGSも少なくないという。

普段、セルフスタンドの方が若干ながら単価が安いので、そちらで給油してしまうが、GSは給油さえできればよいという施設ではないことを痛感した。

物事なんでもそうだが、万が一のときにこそ、本来のあるべき姿や、その有り難味が実感できる…

日常の便利さや安さだけでは、到底計ることのできない「安心」「安全」のコストというものは、やはり無視してはならないものだと、今回のアクシデントを通して再認識できた。

 

 

龍馬旅券を受領(哲×鉄車掌区慰安旅行)

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2015年8月11日 06:20

高知駅到着後、駅前にある高知観光情報発信館「とさてらす」に向かった。

目的は6月に購入した「高知家プレミアム旅行券」を、「観光券」に引き換えること。
この旅行券は、国が地方創生の目玉として、国の予算で各自治体を訪れる観光客の呼び込みと、実際に宿泊、観光、飲食してもらう消費活動を金銭的に助成するもの。

具体的に高知県の場合は、10,000円分の旅行券(宿泊5,000円分、観光5,000円分)を、半額の5,000円で買えるから、ズバ抜けておトクだ。

今回の哲×鉄車掌区慰安旅行に当てはめると、高知県内で大人2名が3泊するので、このプレミアム旅行券を1人3枚、計6枚購入し、総額30,000円をコンビニで事前購入した。

この旅行券は前述の通り、宿泊券と観光券が5,000円ずつセットされ1枚という構成なので、6枚購入すると、支払った額は30,000円だが、高知県で使える金額は60,000円という、錬金術のような手品のようなプレミアム分を享受できる。

「とさてらす」でいざ観光券を受け取ると、500円券が10枚で1冊になっており、支払金額に応じて1枚1枚切り取って現金同様に使用できる体裁であった。

なんとも、アナログ式だが、それが今回6冊(500円券60枚)ともなると、とても使い甲斐のある有難さを実感…
高知らしい「豪快さ」を味わった。

とかく軽薄な今の世の中、1枚のICカードで使用金額だけが差し引かれたり、リライト式のチャチなカードが書き換えられるような味気なさは皆無であった。

ところで、この「とさてらす」では、「龍馬パスポート」なるものの申請を勧められた。
高知県内を観光する際、「とにかくおトクです!」という言葉に魅せられ、二つ返事で申請をお願いした。

書類記入から発行まで10分ほどかかったが、手にした「龍馬旅券」は日本国パスポートを模した形式で、作りもなかなかしっかりしていた。

また、表紙の次の頁には、こんな文言が書かれてあった。
"本龍馬旅券所持人を、高知家で支障なく旅行させ、かつ、同人に旅行先での特典を与えられるよう、関係機関に要請します"…とあり、県知事である尾崎正直氏の署名がなされてあった。

本来の日本国旅券において、外務大臣が邦人の保護扶助を関係所官に要請した文言を、高知県知事がこんなにもユニークに、県内での観光を盛り上げることに一役買って出るのは、とても素晴らしいと思った。
(余談だが、尾崎知事は車掌長と同学年であることも知り、一方的に親近感を抱いてしまった)

さらに説明を聞くと、最初は青色で、県内で宿泊・飲食・観光・交通機関等を利用すると、各施設独自のスタンプを押してもらえ、その押印数によって、「龍馬パスポート」も色が変わる切替発行がなされ、グレードアップしてゆくとのこと…

車掌長は、「これはヤバい…」と直感した。
なぜなら、このシステムは収集心をくすぐられ、かつグレードアップするごとに、特典が増えたり、最終的には「殿堂入り」なる最終到達点まで用意されていた。

今回の旅行でいきなり「殿堂入り」は不可能だが、気楽にやってみたようと心を落ち着かせた。

冷房の効いた「とさてらす」を出ると、炎天下の猛暑。
街頭の温度計が37℃を表示していた。

車掌見習は焼けたアスファルトからの距離が短いので、もっと高温に感じたのか、抱っこをせがんだ。そして、駅から市電1駅分を歩いたレンタカー営業所で車を借りた。

ここから一路、やなせたかしさんの出身地である香美市(かみし)のアンパンマン・ミュージアムを目指した。
今晩はそこに隣接する「ピースフルセレネ」というホテルで宿泊だ。

 

四万六千日

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2015年7月10日 06:05

しまんろくせんにち

本年2/13付の乗務日誌「キリ番」で、希望者挙手さんに教えていただいたこの響きが、ずっと心に残っていた。
浅草寺で開かれる「ほおづき市」は、四万六千日のご縁日。

このご縁日、7月9日と10日のみ浅草寺から授かれる雷除けのお守りがある。
希望者挙手さんも、これを授かり御利益があったそうだ。

その御利益とは46,000日分、実に126年分に相当するという。
これは、ものすごいパワーだ。

今日7月10日は「大安」!
朝から久々の青空も垣間見え、足を運びたくなってしまった。

しかしながら、今日はどう考えても浅草には立ち寄れない予定が既にわかっている…
せめて、この乗務日誌をお読みで、行けそうな方がいれば…と、ふと思い綴ってみた。

お時間や都合のつく方は、ぜひ足を運び、江戸情緒に浸りながら、向こう百余年にわたる御利益が授かれますように…
 

世界名作劇場40年

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2015年7月 6日 05:25

新聞で世界名作劇場が誕生して40年になることを知った。

車掌長と同世代以上であれば、日曜の夜7時半から放映された同名のアニメ番組をご存知だろう。
どのシリーズも1作あたり1年間というスパンで放映されていた。

最近のテレビ番組は、大河ドラマを除いて1年という期間を持続できるものは稀有だ。
むしろ、3ヵ月ごと10話程度でコロコロ変わってゆくドラマが多いのは、移り気な持続性のない世相のよう…

記念すべき世界名作劇場の第一作は、1975年の「フランダースの犬」とのこと。
車掌長が7歳の頃になるが、これは毎週観ていた。

なお、その前作は「アルプスの少女ハイジ」で、この成功を受け、スポンサーの意向を受けて方向性が定まり、日本アニメーションという、制作会社がシリーズを手掛け続けたという。

紙面には世界名作劇場の歩みとした作品の一覧が載っていたので、車掌長も毎週観たものを中心に、懐かしみながら下記に列挙してみたい。(※印は毎週観たものではない)

1975 フランダースの犬
1976 母をたずねて三千里
1977 あらいぐまラスカル
1978 ペリーヌ物語※
1979 赤毛のアン※
1980 トム・ソーヤの冒険※
1981 ふしぎな島のフローネ
1985 小公女セーラ

小・中学生の当時、まだビデオなどなかったので、観たいテレビ番組の時間を軸に生活が回っていたように思う。

1985年は高校3年生で、そんな歳になって世界名作アニメというのも…を思われるかもしれないが、その頃はNHK朝の連続テレビドラマで「おしん」が爆発的に流行った直後で、苦労したり、虐げられたりしながらも、健気(けなげ)に生きる主人公に共感したものだった。

また、当時旅先で出逢った方と文通をしている折、この番組を共に観ていたことも、視聴に熱心になった理由かもしれない。

話が脱線してしまったが、そんな想い出深い世界名作劇場も、視聴率低下とともに、知らない間に地上波から姿を消してしまった。

昨今の殺伐とした映像や音響のアニメが多い中、世界名作劇場のような良識ある教育的な着地点がある番組は心からホッとできる。

また、手書きのアニメーションの温かみは、今のコンピュータグラフィックの綺麗すぎるというか、鋭すぎて気が休まらない映像よりも、穏やかな心持ちになれる。

主人公の青春期における成長過程で体験する心情の機微や、他人との関わりや摩擦で生じるお互いの痛みやいたわり、問題解決のステップなど…

そんなことを1年かけて、自分自身の成長とも重ねて視聴できた子ども時代は幸せだったと思う。

もちろん、その良さを知っている世代だから、今の子ども世代にも見せてあげたいが、地上波ではスポンサーがつかないだろうから、結局はそのような意識を持つ親が、DVDをレンタルするなどしてという方法になろうか…

いつでも好きな時に視聴できるツールが増えたことは、確かに便利だと思うし否定もしないが、決まった曜日や時間までに食事などの用を済まし、テレビの前で始まる時間をワクワクして待ったような体験も、金銭に置き換えられない心の成長には必要な気もしてしまう。

何はともあれ、世界名作劇場誕生40年を心から祝福するとともに、それを記念して新作される映画「シンドバッド」は、ぜひ劇場に足を運んで観てみたいと思った。
 

65点の日

カテゴリー:④番線:日々雑感方面 2015年6月 3日 05:42

6月5日は「65点の日」

世間では「老後の日」らしいが、「65点の日」は車掌長独自の記念日。
車掌長は65点という点数が好きだ。

常に100点やそれ以上の120%などという、目標や基準を設け頑張った時期もあった。
しかしながら、自分自身に気持ちの余裕や人生の面白さの「のりしろ」がないことに気が付いた。

また、人間は常にそんな全力状態で生活や仕事を続けられるほど、心身ともにタフでないことも悟った。

だが誤解を恐れずに補足すれば、「65点くらいでいいや」と意識的に手を抜いたり、気持ちに油断が入ると、50点にも届かない結果や事態になることも知っている。

それは、専門学校で旅行業務の国家試験の受験指導をしている時に痛感した。

当時、一般旅行業務取扱主任者試験は8科目あり、1科目あたり概ね60点以上の得点で合格できた。
また、各科目には足切り点もあり、40点未満の科目が1つでもあると、全体で480点以上あっても不合格になると言われていた。

学生には1科目あたり60点以上取れば、合格できることを周知させつつも、60点を目指す勉強では落ちることも幾度となく教えたものだった。

奇問難問まで解けるような100点を目指す勉強は、国家資格の勉強には不要と車掌長は考えるが、平均80点は取れる勉強で、実際にはやっと及第点である60点以上になると実感していた。

この考え方は、今の車掌長の生活リズムや物事への取り組み、考え方にも生きている。

働き方や生き方も、良い意味で自分の中に時間的な枠組みや配分、割合、妥協を持たないと、気持ちやモチベーションの持続性を保つのは難しいと思う。

そんなことを考えていたら、先日こんな歌を耳にした。

♪65点の人が好き、好き、好き

このサビ部分が妙に耳から離れず、つい気になって歌手や詳しい歌詞を調べたら、1970年代の元アイドル歌手の「恋人試験」という曲であることがわかった。

一度聴いただけなのに、このサビ部分だけ鼻歌で歌ってしまう車掌長であった。
 

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